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仕事帰りにスーパーに寄った後、事故にあった。これも労災になる?

職場問題グレーゾーンのトリセツ

「育児休業を申請したら、自宅から通えない職場に配置すると言われました」
「テレワーク中に立ち上がろうとして、転倒して足の指を捻挫。労災になりますか?」
「仕事上の注意をしたら、部下に『パワハラですよ』と言われました」
「思いがけず昇進を打診され、戸惑っています。断ったらペナルティはありますか?」

 こんな仕事のモヤモヤ、何がセーフで何がアウト? 『職場問題グレーゾーンのトリセツ』(アルク)では、働く上での「これってどうなの?」を、社会保険労務士の村井真子(まさこ)さんがすっきり解決してくれる。


 本書には、たとえばこんな事例が。

〈相談〉急に会社に来なくなった同僚。音信不通のまま退職したらしいのです。

 退職届を出す勇気がないから、無断欠勤をしてそのままフェードアウト......。そんなことができるのだろうか?

〈アドバイス〉無断欠勤は会社との契約違反です。また、音信不通で退職せずに、必ず退職の意思を伝えましょう。

 労働基準法では、解雇の条件を厳しく設定しており、「本当に」音信不通なのかが問われるため、会社はかなりの労力を割いて連絡を取ろうとするのだという。無断欠勤を理由に解雇するにしても、会社側としては一定の手続きを踏まなくてはならない。きちんと退職の申し出をするほうが、後々のトラブルは少なくて済む。


 さらに、こんな質問も。

〈相談〉仕事後にスーパーで買い物をしての帰り道、交通事故に巻き込まれました。

〈アドバイス〉スーパーからの帰宅中でも、労災として扱われます。

 仕事と関係のない寄り道(映画、飲み会など)は労災の対象外だが、「日常やむを得ない行為で最低限のもの」ならば例外となり、労災の対象になる。スーパーの買い物はこれに当たり、通勤として認められる可能性が高いのだそう。

 このほか、新入社員がぶつかる壁や、ライフステージごとのトラブル、退職時のトラブルなど、幅広い内容の75の疑問に回答している。

 働き方が多様化する中で、働く人みんなが法律を把握するのは難しい。困ったときには、本書に頼ってみては。

【目次より】
はじめに
第1章 就業規則・社内ルール
第2章 労働時間と休暇
第3章 ケガ・病気
第4章 ハラスメント・人間関係
第5章 賃金・福利厚生
第6章 異動・退職・キャリア
付録1 困ったときの相談先
付録2 トラブル時の解決手段
おわりに
参考文献

■村井真子さんプロフィール
むらい・まさこ/社会保険労務士、キャリアコンサルタント。家業である総合士業事務所で経験を積み、2014年、愛知県豊橋市にて独立開業。中小企業庁、労働局、年金事務所等での行政協力業務を経験。あいち産業振興機構外部専門家。地方中小企業の企業理念を人事育成に落とし込んだ人事評価制度の構築、組織設計が強み。現在の関与先160社超。移住・結婚とキャリアを掛け合わせた労働者のウェルビーイング追及をするとともに、労務に関する原稿執筆、企業研修講師、労務顧問として活動している。


※画像提供:株式会社アルク


   
  • 書名 職場問題グレーゾーンのトリセツ
  • サブタイトル「知らなかった」で損をしない、働く人の必携書
  • 監修・編集・著者名村井 真子 著
  • 出版社名アルク
  • 出版年月日2023年5月23日
  • 定価1,870円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・216ページ
  • ISBN9784757440128

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