「かくれ繊細さん」こと、HSS型HSPをご存じだろうか。繊細で刺激を受けやすいHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン/Highly Sensitive Person)の中でも、好奇心旺盛なHSS(ハイ・センセーション・シーキング/High Sensation Seeking)という特性をもつ人たちのことをいう。
かくれ繊細さんがおちいりやすい悩みが、「やりたいことがわからない」という状態。さまざまなことに興味はあるが、まわりの目を気にして内に秘め、そのままわからなくなってしまいがちなのだという。この悩みを解決してくれる本が、HSS型HSP専門カウンセラー・時田ひさ子さんの『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』(あさ出版)だ。
前回の記事では、かくれ繊細さんがやりたいことを見失ったきっかけを解説した。今回ご紹介するのは、やりたいことを無意識に押し殺さないようになるためのポイント。重要なのは、「自分の感覚ではなく世間に合わせすぎているかもしれない」と気づくことだ。自分の「やりたい」という気持ちを取り戻すには、どう意識を変えればよいのだろうか?
○やりたいことはすごくなくていい
かくれ繊細さんは、小さな気づきを「大したことじゃない」と過小評価するクセがあります。そのため「大きなこと、すごいと言われることをしたい」と大魚を狙いにいきたくなります。
でも、大魚を狙うのは心理的な負荷がかかりやすく、緊張とストレスが無意識に強く襲いかかります。
「すごいことをしたい」と思いがちなクセと裏腹に、「自分がストレスに弱いことを理解したうえで、まず小さな成果をコツコツと作っていく」ことが、かくれ繊細さんに合った進め方なのだそう。「すごいこと」へのモチベーションも持ち続けつつ、小さなことから始めることをすすめている。
○やりたいことはどんどん変わってもいい
かくれ繊細さんには「やりたいこと」を長い期間同じようには続けられない、という覚悟を持っていただきたいです。
好奇心旺盛でたくさんのことに興味を持ち、なおかつある程度予測が立つと興味を失う(飽きるともいえる)特性を持っているからです。
やりたいことが数か月~数年で変わっていく、かくれ繊細さん。「やりたいことは一生かけてするものだ」という固定観念に縛られず、やりたいことをどんどん変えることを自分に許すことが必要だという。
○やりたいことは人のためにも、自分のためにもならなくてもいい
かくれ繊細さんの中には、自分だけが得をする選択を、無意識に避ける人もいます。その傾向が強い場合は特に、無意識に「『人のためにならなきゃ』と思っているかもしれない」ということに目を向けて認識してみてください。
ただただ自分が楽しいためだけ、ただただ自分が休むためだけに時間を使ってもいいのです。
HSPの人たちは他人の感情に敏感で、「人のためにならなければ」と思いがちだ。「人のため」にこだわらず、自分だけの心地よさを追求してもいいのだと時田さんは言う。
このほか、本書では以下のポイントを挙げている。
○やりたいことは人に評価されなくてもいい
○やりたいことは仕事にならなくてもいい
○やりたいことは得意なことじゃなくてもいい
○やりたいことは目的がなくてもいい
○やりたいことは好きじゃなくてもいい
○やりたいことのために踏ん切りをつけなくていい
○やりたいことができないときに怠け者認定しなくていい
かくれ繊細さんが本当にやりたいことを見つけるために必要なのは、特性と本音を理解し、自覚して受け入れることだという。「私ももしかして」と思った方は、ぜひ本書のポイントを意識して、自分のやりたいことを見つめてみてほしい。
本書ではさらに、かくれ繊細さんの特性が「才能」として活かせる例や、具体的にやりたいことを見つけるメソッド、才能を発揮するコツを解説している。
【もくじ】
第1章 もしかして「かくれ繊細さん」かも?
第2章 かくれ繊細さんに秘められた10個の才能
第3章 かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方
第4章 かくれ繊細さんが才能を発揮して活躍するコツ
HSS型HSPの傾向があるかどうかは、時田さん主催の「HSP/HSS LABO」公式サイトでセルフチェックができる。
■時田ひさ子さんプロフィール
ときた・ひさこ/HSS型HSP専門心理カウンセラー。HSP/HSS LABO代表。早稲田大学文学部心理学専修卒業。繊細で凹みやすいと同時に好奇心旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ1万5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。かくれ繊細さんのオンラインコミュニティ主催。臨床心理学、認知行動療法をはじめ、フォーカシング、退行催眠、民間の手法まで、あらゆる心の扱い方について習得する。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版)がある。
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