好奇心旺盛で飽きっぽい。何をやっても中途半端で、やりたいことがわからない。こんなお悩みを持っているあなたは、もしかしたら「かくれ繊細さん」かもしれない。
「繊細さん」ことHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン/Highly Sensitive Person)は、感覚が敏感で刺激を受けやすい人たちのこと。かくれ繊細さんは、その中でもHSS(ハイ・センセーション・シーキング/High Sensation Seeking)という特性をもつ人たちだ。HSSは「(自分にとって)センセーショナルなことを探す人」という意味で、アメリカの心理学者マーヴィン・ズッカーマンが提唱した概念だ。
かくれ繊細さんは、非HSPの人たちや非HSS型HSPの人たちよりも好奇心が旺盛で、さまざまことに興味をもつ。その一方で、「やりたいことがわからない」状態におちいってしまいがちなのだそうだ。
HSS型HSP専門カウンセラーの時田ひさ子さんが、著書『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』(あさ出版)で、やりたいことがわからなくなる理由とその解決方法を紹介している。
時田さんによると、かくれ繊細さんにはもともとやりたいことがあったのに、それを内に秘める習慣が続いた結果、やりたいことがわからなくなってしまうのだという。その習慣がついてしまうのはなぜだろうか? 今回は、本書で挙げられている、かくれ繊細さんがやりたいことを隠すようになるきっかけの一部をご紹介しよう。
1 深く没頭するのに最後までやり通せず自信を失った
かくれ繊細さんが「やりたいこと探し」をやめられないのは、「没頭が深い」のに、「最後までやり通せない」という、2つの相反する自分の特性に気づかず、自信を失った経験がきっかけになっていることがあります。
あんなにどっぷりハマったのに、少したったらあっさりと熱が冷めてしまって、道具だけがぽつんと取り残されるなんてことを経験したことがありませんか?
かくれ繊細さんは、常に頭の中で何かを考えているので、一つの言葉から別のことを思い出して話が横道にそれたり、本を読みながら関連する考えにふけったりしがちだそう。こうして興味が他に移った結果、「やり通せなかった」「自分は何もやれていない」と思い込み、自信を失ってしまう。
2 「根本的に解決したい」思考を理解してもらえなかった
かくれ繊細さんは、根本から徹底的に直して、次から同じことで悩まないようにしたい、と強く願っています。二度手間や効率が悪いことを嫌います。
そのせいか、もたもたしていたり、まどろっこしかったりする業務への改善案を出すのが得意ではありませんか? これは、かくれ繊細さんの、せっかちで、もたつくことにイラっとする気質からきているのかもしれません。
でも、それがまわりからあまり理解されません。
「根本的に解決したい」かくれ繊細さんに対して、まわりは「そのままでもいいんじゃない?」と思っていることが多いそう。そのため、時田さんの聞いた体験談でも「自分の考えすぎなのかなと思っていた」「『非現実的な変人』と思われてしまった」といった声が。まわりの反応を気にして、やりたいことが言い出せなくなっていくという。
他にも、本書では以下のきっかけが挙げられている。
3 「欲張り」だと思われてしまった
4 「1つのことに打ち込めない」ので欠陥のある人とされた
5 「察する能力」が評価されなかった
私もそうだ! と思ったあなたは、かくれ繊細さんかもしれない。HSS型HSPの傾向があるかどうかは、時田さん主催の「HSP/HSS LABO」公式サイトでセルフチェックができる。
やりたいことをおさえ込んでしまっている状態からは、どうやって脱すればよいのだろうか? 次回は、かくれ繊細さんがやりたいことを見つけるための考え方のポイントをご紹介する。
【もくじ】
第1章 もしかして「かくれ繊細さん」かも?
第2章 かくれ繊細さんに秘められた10個の才能
第3章 かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方
第4章 かくれ繊細さんが才能を発揮して活躍するコツ
■時田ひさ子さんプロフィール
ときた・ひさこ/HSS型HSP専門心理カウンセラー。HSP/HSS LABO代表。早稲田大学文学部心理学専修卒業。繊細で凹みやすいと同時に好奇心旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ1万5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。かくれ繊細さんのオンラインコミュニティ主催。臨床心理学、認知行動療法をはじめ、フォーカシング、退行催眠、民間の手法まで、あらゆる心の扱い方について習得する。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版)がある。
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