昨年4月に発売され、早くも発行部数10万部を突破した『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ』『(同)ふつう』(Gakken)の2冊。年間1万部売れたら大ヒットとされる参考書やドリルのジャンルで異例の大ヒットを続けている。
ゆるくて可愛いイラストを添え、算数と国語に関連するパズルをたっぷりと掲載している本書。宇宙のどこかにある「惑星ヒマージュ」で、「カミさま」は後継者である「ヒー」と「マー」を立派に育てるために、100問の問題を解かせるというストーリー仕立てになっている。
ヒーとマーは「頑張るぞ」なんて前向きな言葉は口にしない。「おなか空いた~」「めんどくさ~い」と、リアルな子どもたちが言いそうなことを言うので共感しやすい。勉強をしている感覚がないのがポイントだ。
ワニ革を模した紙にカラーの箔押しという、ドリルとは思えないオシャレな装丁にも注目だ。書き込んで使いやすいよう大きく開く仕様で、答えを書きこむところは消しゴムで消しやすいように白地になっているなど、使いやすさにもこだわっている。
著者は、滋賀県の学習塾、「りんご塾」の代表を務める田邉亨さんだ。算数オリンピックの金メダリストを毎年のように輩出していることで、業界では名の知れた存在だ。
田邊さんがパズル教材をつくるようになったのは、小学校6年生で算数アレルギーがある子どもの指導をしたことがきっかけだったという。
その子はもう自信をなくしていて「算数が苦手」と自分に言い聞かせてしまっているようでした。どうしたら算数を毛嫌いしないで解いてくれるかなということを考えて、パズル形式の問題を私のほうで作って解かせてみたんです。そうしたら楽しんで解くようになって「あれ? 算数好きかも」なんて言うようになった。自信がついたおかげで成績も上がっていきました。この経験から「楽しみながら学ばせる」ことの大切さを再認識しましたね。
楽しかったら子どもは自分から学ぶようになります。そして自信が育っていく。先生や親が怒って「勉強しなさい」なんていうのは、マイナスでしかない。恐怖で縛っても続かないんですよ。
だから、これからも子どもたちに楽しんでもらえる教材を作っていきたいですね。没頭して夢中で取り組んでいるときに、才能って伸びていくものだと思うので。(田邊さん談)
購入した人からは、「子どもが本の内容の面白さに夢中になっている」「多くのパターンの問題が、繰り返し難易度を上げて出てくるので、小さな子どもでも解きやすい」「スキマ時間に子どもと一緒に大人も楽しめるところがとても良い」といった感想が寄せられている。
■田邉亨さんプロフィール
りんご塾代表。1968年、滋賀県生まれ。モーツァルトとサンバが好きで声楽家を志し、名古屋音楽大学に入学するも中退。その後、ニューヨーク市立大学とペンシルバニア州立大学で学ぶ。2000年9月、小学校低学年向けの「算数オリンピック」「そろばん検定」「思考力」を重視した学習教室「りんご塾」を滋賀県彦根市に設立し、現在は全国に約40教室を展開中。2015年からは、「発達支援ルームりんごの木」で発達に凹凸のある子どもたちに対する教育を別法人で開始する。「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を教育信条に、独自の教材を作り、算数オリンピックのメダリストを毎年輩出している。
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