結婚後、2年経っても子どもができない私たち。
当たり前だ、夫とは1年以上レスなんだから――。
KADOKAWAから発売された『熱が冷めた私たちは 1』(原作:菊池策、漫画:magari)は、セックスレスに悩む妻と、妻に目もくれず元カノの元に通う夫の、「すれ違いラブストーリー」だ。
森口夏美、29歳。夫の時成と結婚して丸2年経つが、まだ子どもはいない。
なかなか妊娠しないことを心配したお節介な義母が、「まだ妊娠できないなんて どこかおかしいと思うのよ」と無遠慮な言葉を投げつけ、不妊治療のパンフレットを渡してくる。
「今度診てもらったらどうかしら?」と迫ってくる義母の話を聞き流しながら、「そんなこと言われたって 妊娠できるわけないじゃない」と、夏美は冷めた気持ちでいた。だって...もう丸1年、私たちはセックスレスなんだから――。
夏美が拒んでいるのではない。昔みたいに愛されたい、少しでいいから優しく触れてほしいと、ベッドで寝ている夫にそっと近づいたこともある。しかし、返ってきたのはあまりにも冷たい仕打ちだった。
「そういうのはやめてくれ」
「え...」
「その気になれないって言ってんだよ」
「教えて 私の何がダメなの? できる限り直すようにするから」
「そういうんじゃない 今は『その気になれない』 ただそれだけだ」
今はって......じゃあいつになったらその気になってくれるの? いつになったら昔みたいに戻れるの? 夏美は今夜も惨めな気持ちで枕を(涙で)濡らしたのだった。
最初からこうだったわけではない。結婚1年目は普通の夫婦だった。夫婦のスキンシップもたくさんあったし、最低でも週2回、時成の方から夏美を求めていた。
それが変わったのは、去年の6月。ある日、時成の親友・広司が事故で亡くなったとの知らせが入った。インフルエンザで寝込んでいた夏美を残し、時成は通夜と告別式に出席するため帰省することになった。
「明日の夜には帰るから」と言って出発した時成。ところが、次の日の夜になっても帰ってこなかった。そして、その次の日の夜に帰ってきた時には、冷めた夫になっていたのだ。
やがて、時成が噓を吐いていたことがわかってきた。
義母によると、夏美を心配した時成は、告別式が終わったらとんで帰っていったという。告別式の日、時成は「広司の家族が憔悴しきってて 葬式の後始末や手続きやら手伝って帰るから もう1日実家に泊まる」と夏美に電話してきたのだが......。
実際のところ、時成はもう1泊していた。実家ではないなら、どこに? さらにもう1つ、義母によると、葬式の手配は広司の妹・友里恵が全部1人でしていたという。
嫌な予感がして、夏美は時成のSNSをこっそり見た。するとそこには、時成と友里恵の親密なやりとりが残されていた。しかも、時成は友里恵のつぶやきに毎日のように返信しているではないか。
誰に見られても困らない内容ではある。それでも、夏美とはほぼ会話してくれないのに、友里恵のことは毎日労っていたのだ。
時成は嘘を吐いてどこかに泊まり、そのあとから急に夏美に触れなくなり、SNSでは友里恵と毎日絡んでいる。全部合わせて考えればわかる。たぶん、時成は友里恵と浮気している。目を逸らそうとしていたが、いい加減認めなければならないのだろう。
離婚を視野に、夏美は浮気の証拠を集めはじめる。それにしても、時成はなぜ浮気を隠そうともせず露骨に冷たい態度をとるのか? 浮気の裏に一体どんな真実が隠されているのか――? 夫婦のすれ違いを描く、大人の恋の物語。
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