立ち上がった瞬間、「あれ、何をしようとしてたんだっけ?」
よく知っている人なのに、名前が思い出せない!
探していたスマホが、冷蔵庫の中で冷えていた......。
こんな「もの忘れ」、あなたも心当たりがないだろうか。もの忘れはなぜ起こるのか? どうすれば防げるのか? 日常生活のちょっとしたもの忘れや心配事35ケースを、最新脳科学の視点から解説・アドバイスしてくれる本が、『もの忘れしなくなる! 脳の使い方事典』(永岡書店)だ。
本書から、「立ち上がった瞬間、何をしようとしていたのかを忘れてしまった......」という事例をご紹介しよう。多くの人が一度は経験したことがあるこの状況。脳では何が起こっていて、なぜやろうとしていたことを忘れてしまうのだろうか?
本書では、「『立つ』という動作が挟まることで思考の連続性が一瞬途切れるから」と説明されている。
「あれをやらなきゃ」「こうしよう」という考えは、脳のうち前頭葉の「思考系」の場所で生み出される。しかしこの思考は、他の刺激が入ってくるとたやすく見失われやすい。立ち上がる事例では、「思考系」から「運動系」へと脳の働きがシフトする。その瞬間に、思考が途切れてしまうのだ。他にも、ドアを開けた瞬間、スマホで検索エンジンを開いた瞬間......さまざまな例が思い浮かぶだろう。
こういった、思考の途切れによるもの忘れは誰にでも多少はあるもの。しかし、あまりに頻繁に起こるようなら「脳の連続性を維持する力」が落ちてきたというサインだ。本書では、もの忘れのタイプごとにおすすめのトレーニングも紹介している。日々もの忘れが気になっている方は、ぜひ書籍でチェックしてほしい。
【目次より】
●Part1:「一瞬、やることを見失う...」系もの忘れ
立ち上がった瞬間、何をしようとしていたのかを忘れてしまった......
緊張で頭が真っ白に......。いったい何を話そうとしたんだっけ? など
●Part2:「人の名前が出てこない...」系もの忘れ
顔は思い浮かんでいるのに、その人の名前がどうしても出てこない......
昔の友人とバッタリ......談笑したけれど、最後まで名前が思い出せなかった...... など
●Part3:「できていたはずなのに...」系もの忘れ
最近のアイドルの顔がみんな同じに見えて区別ができない......
ショッピングセンターで、どこに駐車したのか分からなくなった...... など
●Part4:「つい、うっかり忘れもの...」系もの忘れ
家族で買い物をした帰り、妻を車に乗せ忘れたまま出発してしまった......
すでに持っている本、CD、DVDなどをしょっちゅう二度買いしてしまう...... など
●Part5:「言葉が出てこない...」系もの忘れ
「えーと、いま、何を言おうとしてたんだっけ......」という場面がよくある
「あれ、いま令和何年だっけ?」と分からないことがよくある。たまに日付や曜日も...... など
●Part6:「仕事のミスが増えた...」系の心配事
大事な会議であったのに、その予定をすっかり忘れて出張してしまった......
会議で意見を求められても、何も思いつかずに沈黙してしまうことが多い...... など
●Part7:「ときめきがなくなった...」系の心配事
最近、トシのせいか異性にときめくことがなくなってきた......
ツイッター、インスタ、TikTokなど、SNSの新しいツールについていけない など
■加藤俊徳さんプロフィール
かとう・としのり/新潟県生まれ。脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳番地トレーニング、脳科学音読法の提唱者。1991年近赤外光を用いて脳機能を計測する「fNIRS(エフニルス)」法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科MR研究センターに研究員として従事。現在、「脳の学校」、「加藤プラチナクリニック」を開設し、独自開発した加藤式 MRI脳画像診断法を用いて、脳の成長段階、強み弱みの脳番地を診断し、薬だけに頼らない脳番地トレーニング処方を行なう。ベストセラー多数。
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