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厳しく叱ることは、なぜ必要なのか? 稲盛和夫が説く「愛」だけじゃダメな理由

プレジデント(2022年12月2日号)

 2022年11月11日発売の「プレジデント」(2022年12月2日号)は、今年8月に亡くなった京セラ創業者の稲盛和夫氏が残した一般に未公開の講演録からピックアップして、「稲盛和夫直伝 人間の品格」と題した特集を組んでいる。

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画像は「プレジデント」(2022年12月2日号)

 「厳しく叱ることは、なぜ必要なのか?」「運がない人が『運をひらく習慣』とは?」「平社員でも『正しい数字』で経営する」など、8つのレクチャーを掲載している。

 たとえば、「厳しく叱ることは、なぜ必要なのか?」では、こう説いている。

 「企業経営においてあるべき姿を実践していくためには、ただ愛という優しさだけでは実現できないことがあるわけです。もうひとつ極限にある厳しさというものがあって初めてそれが実現できる。例が少し悪いかもしれませんが、砂糖で甘いと感じるためには、塩を少し入れなければ、本当の甘さが出ないといわれていますが、それと同じことなのです」

 どういうことなのか。それに続いて説明している。

 「企業経営の場合にはバランスが非常に大事だといわれていますが、バランスというのは、真ん中という意味ではありません。両方に重みがあって、初めてバランスがとれる。両極をあわせ持つことが必要なのです。つまり、優しさと厳しさ、大胆さと緻密さ、そのようなものが同時にいるのです。がんばろうと、モチベートされた従業員の状態を維持していくためには、そのような両極端の指導が必要です」

熱意と努力で運を開く

 「運がない人が『運をひらく習慣』とは?」と題したレクチャーでは、小学校6年生で結核を病み、旧制中学校の受験に失敗。自宅は空襲で焼けるなど、自分の経歴を語っている。

 「やることなすことすべてが運に見放された不運な人生だったのに、その後からはすばらしい展開をしていったと言いました。それは私の考え方が変わったからなのです」

 それは「人生の結果」=「その人が持つ考え方×熱意×能力」という方程式を思いついたことだという。能力は今さら変えようがないので、大事なのは熱意、努力だと力説している。

 稲盛氏が亡くなられてから、『経営12カ条』『アメーバ経営』など、その著書がよく売れている。40年分の講演から厳選した、この特集には、それらのエッセンスがコンパクトにまとまっている。また、肉声と映像付きの動画2本も23年1月末までの期限付きで公開している。

  • 書名 プレジデント(2022年12月2日号)
  • 出版社名プレジデント社
  • 出版年月日2022年11月11日
  • 定価780円(税込)

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