2022年10月28日発売の「プレジデント」(2022年11月18日号)は、「毎日が面白くなる 人生後半の時間術」と題した特集を組んでいる。限りある時間を有効に活用するには、どうしたらいいのだろう。
人生の残りの時間を「最高の老後」にしたいと思っても、ひとたび病気になってしまうと、思う通りの余生は送れない。今の健康を失わないための、年代別・男女別の対策を医師の岡田定さん(医療法人社団平静の会 西崎クリニック院長)が指南している。
食習慣、運動、睡眠など生活習慣のマネジメントができているかどうかが、高齢になったときの健康状態を決めるという。
40代の健康リスクは、肥満、高血圧、鉄欠乏だ。甘いものが食べたくなったら腹の肉をつまみ、心を律する。ラーメンのスープは飲まないなど、減塩した食生活でコントロールする。鉄分の多い食事を心がけ、時にサプリを飲んで補うようアドバイスしている。
50代の健康リスクは、糖尿病、脂肪肝、歯周病だ。積極的に魚料理を食べ、洋食・中華より和食を選ぶ。節酒と糖質制限、寝る前の歯みがき後にはフロス、定期的に歯科検診に行くことを勧めている。
60代の健康リスクは、関節痛、慢性腎臓病、大腸がんだ。痛み止めやマッサージで気休めせず毎日ラジオ体操をする。減塩・節酒・運動の習慣をつけ、喫煙者は今すぐ禁煙する。血便が出たら見過ごさずに、必ず大腸検査を受けることだ。
70代の健康リスクは、脳梗塞、認知症、フレイル(虚弱)だ。急な言葉づまりを感じたら、迷わず即時病院で検査する。体操教室に通い、常に笑顔で会話を増やしていく。太ることを恐れずに積極的に肉を食べることが大切だ。
女性は閉経後、男性より15年早く骨粗鬆症が進行すると言われているため、注意が必要だ。
80代以降は個人差が大きいが、大事なのは運動で、運動の習慣がある人は70代、80代になっても元気で若さを保てるという。
医師で医療ジャーナリストの森田豊さんは、人生100年はウソで、健康寿命は短いと指摘している。男性は72.68歳、女性は75.38歳が健康寿命というから、ぞっとする。
要支援・要介護原因のトップは脳卒中や脳梗塞のような「疾病」ではなく、誰もがおちいる可能性がある「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」だという。骨、関節、筋肉などの「運動器」が衰えたり、損傷したりすることで、自分が想像する以上に動けなくなる状態を指す。次が認知症、3つ目が脳卒中だ。
3つに共通するリスクは運動不足だ。後半生の充実に向けて、ゴルフやテニス、ヨガ、散歩などを勧める。食生活の改善には、高タンパク、良脂質、抗酸化がキーワードになる。平均寿命より健康寿命を延ばすべき、と提言している。
嫌なことをやめ、好きなことで人生を埋め尽くす「自分らしい老後」実現シートが付いており、書き込み式で記入できる。オリエンタルランドで人材育成を行ってきた大住力さんが、ウォルト・ディズニーの考え方をもとに解説している。これからの時間の使い方を書き出すことにより、自分にとっての幸せとは何かを意識することができる、と説く。
このほか、漫画家・弘兼憲史さん、演出家・宮本亜門さんらのエッセー、40代・50代から転職、移住などをした人たちの体験記も参考になる。健康である限り、人生は何歳からでもやり直しが可能だというメッセージは大きな励ましになるだろう。
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