「まずは自分で考えて!」
「何か良い意見ある?」
「仕事なんだからそんなこと考えないでやるんだよ」
これらの言葉を、あなたの職場で聞いたことはないだろうか。実は、いずれも組織の「心理的安全性」を脅かすNGワード。普段、どのような言葉を使うかは、組織の成果に大きな影響を与えるという。
『最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55』(飛鳥新社)は、そんなNGワードを挙げながら、いまビジネスシーンで注目を集めている「心理的安全性」を高めるフレーズを豊富に紹介した1冊だ。
「心理的安全性」とは、仲が悪すぎもせず良すぎもせず、成果のために必要な「健全な意見の衝突」を起こせるような状態のこと。これは、普段の業務を進める際、ちょっとした言葉がけを意識することで高めていくことができるという。
一方、つい使ってしまう言葉が、逆に心理的安全性にマイナスの影響を及ぼす「NGワード」であることも。
今回は、本書から「職場の風通しを悪くするNGワード」を紹介しつつ、より適切に言い換える方法を見ていこう。
普段、無意識に使ってしまいがちな、心理的安全性を下げるNGワードとして、本書では以下の10例を挙げている。
1、 相談されたら本人のことを思い「まずは自分で考えて!」と言っている
2、 新しいアイデアが出てきたら、考えてくれた人にやってもらうのが一番なので「じゃあ、担当としてやっておいてね」と任せるようにしている
3、 一度教えたことをまた聞かれたら「前にも言ったよね」と厳しく指導している
4、 注意するとき「こんなこと言いたくないんだけど」と言うようにしている
5、 自分の担当する仕事でトラブルがあっても、周りには迷惑をかけないよう「大丈夫です」と言い、まずは自分でなんとかできないかを考える
6、 できなかったことに対して原因を究明し、理由を明確にするために「なんでできなかったの?」と聞くようにしている
7、 チームで失敗が明らかになると、まず「誰の責任?」と責任の所在を明確にしている
8、 後輩や部下から仕事の目的や、やる理由について質問されたら、チームワークを乱さないためにも「仕事なんだからそんなこと考えないでやるんだよ」と伝えている
9、 新しく入ったメンバーには、まずは「会社のルールはこれだ」と、マニュアルや規定類をしっかり覚えるように伝えている。
10、途中から参加したプロジェクトの会議で上司に「何か意見ある?」と聞かれたが、まとはずれになってはいけないので「特にありません」「いいと思います」と答えた
これらの内、5個以上が該当する場合は「黄色信号」だ。
これはダメだろうと思うものや、中には、なぜこれがNGなの?と思う台詞もあったかもしれない。たとえば、なぜ、2のアイデアを考えてくれた人に「担当としてやっておいてね」と声かけするのがNGなのだろう? これは理由が2つある。ひとつは「せっかくアイデアを出したのに、自分の負担・仕事だけ増えて大変」になってしまい、次回はアイデアを持っていても言ってもらいにくくなること。そして、まだ経験が少ない人が「担当」になった場合、「そもそもどこから手をつけていいか、何を相談したらよいかもわからない」という心理が働き、相談しにくくなる言い方なのだそう。
そこで、より良く言い換えたフレーズがこちら。
「誰に相談すると進みそう?」
この言い方なら、同じ相談でも「仕事を進めるための相談」と捉えられるので、ポジティブに頑張る人というイメージになる。また、「誰に」と聞かれたほうが考えやすくなる意味合いもあるという。
相談することで「こんなこともわからない」と思われてしまうのでは......という、心理的なハードルを下げることができるのだ。
本書では、このように具体的な「NGワード」と、より良く言い換えたフレーズを55例にわたり掲載している。著者の原田将嗣さん自身が実践し、クライアントの組織でも使われ成果が出た言葉たちだ。
まずは簡単な言い換えから試してみることで、「心理的安全性」がぐっと身近になるのではないだろうか。
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