ウェブで「頭が悪い人がやりがちな〇〇」とか、「頭のいい人は絶対しない〇〇」なんて見出しを見かけると、「上から目線で腹立つわ~」と思いながらもコンプレックスを刺激され、つい気になってしまう。「頭のいい人」は、何が違うのか。どうすれば「頭がいい人」になれるのか、そもそも、「頭がいい」って何なんだ...?
そのヒントをくれるのが本書、『東大生の考え型』(日本能率協会マネジメントセンター)だ。
著者の永田耕作さんは、公立高校から学習塾に入らずに現役で東京大学理科一類に合格した、誰もが認める「頭のいい人」だ。現在は東京大学教育大学に所属しながら、高校生に向けて勉強との向き合い方や努力の大切さを伝える講演活動を行っている。
永田さんいわく、いわゆる「頭のいい人」とは、「一つの情報から、多くのことを受け取ることができる人」を指す。「一を聞いて十を知る」能力だ。
<その言葉通り、同じ話を聞いていても、そこから得る情報量は人によって大きく異なります。(中略)東大の入試問題では、「1つのことについて複数の見方を求める」問題が多く出題されており、合格するためには、多角的に物事をとらえる力が必要となります。>(PROLOGUEより)
では、なぜ東大生は「1つのものから複数のことを理解すること」ができるのか? 永田さんの考え方はこうだ。
<それは、「目の前にあること」をそのまま受け入れることをしないからだといえます。例えば、本を読んでいるときや人の話を聞いているとき、「どうしてなのだろう?」と考え、「これはこれと同じかもしれない」と推察したり、「これは本当に正しいのだろうか?」と疑ったりする。目の前の情報をそのままインプットするのではなく、納得できるようになるまで咀嚼する――こうした姿勢を持っているからこそ、複数のことを知り、得る情報量が大きく違ってくるのです。 「納得するまで咀嚼する」、そして、そのための「思考フォーマット」を持つ――これこそが、東大生をはじめとする頭の良い人に共通する要素だといえます。>(PROLOGUEより)
つまり、ただ目の前にあることを受け入れるだけではなく、自分で思考する、「自分の頭で考えられる」のが、頭のいい人の共通点だ。
それは分かるけど、「考えようとしても途中で頓挫してしまう」、「考えたけれどその答えに自信が持てない」、「深く考えられない」と悩む人も多いだろう。しかし永田さんは、「『自分の頭で考える力』はみんな必ず持っているもの」だと断言する。
本書では、考えることに苦手意識をもつ人に向けて、東大生の思考回路を再現した「フレームワーク」を提示している。主観と客観、事実と課題の分離、問題の分解と再理解――「納得するまで咀嚼する」という行為の補助線となる思考のフレームワークに沿って考えると、東大生と同じように物事を「自分の頭で考える」ことができるようになるという。
自分は頭が悪いから...と落ち込む前に、東大生の「考え型」をまねてみることから始めてみては。思考のトレーニングになる一冊。
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