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2、3歳児の絵本選びのポイントは、「これ、知ってる!」【ミモザの読み聞かせ絵本 3】

おべんとう

 読み聞かせボランティア歴17年のベテラン・ミモザさんがおすすめ絵本を紹介する「ミモザの読み聞かせ絵本」第3回は、2、3歳児向け絵本の選び方。2、3歳が喜ぶ絵本には、ある"ツボ"があるのです。

 2、3歳児が好きな絵本とは、ずばり「知っているもの」。どういうことでしょう? ミモザさんの読み聞かせ体験から、2、3歳児の大好きな「知ってる!」を見ていきましょう。


『どんどこどん』
和歌山静子 作/福音館書店


つちのなかでどんどこどんどこ。
にんじん、じゃがいも、さつまいも。
土の下で、いろんな野菜が育っています。

 ミモザさんは、地域の公民館のじゃがいも掘りイベントに『どんどこどん』を持って行きました。子どもたちの中に一人、恥ずかしがりやでずっとお母さんの後ろに隠れている男の子がいたのですが、ミモザさんが絵本のじゃがいもを指して「さっきあったねえ」と呼びかけると、男の子はにやっと笑いました。知っているものが出てきて嬉しかったのでしょう。


『おさんぽ おさんぽ』
広野 多珂子 作/福音館書店


 雨上がり、長靴をはいておさんぽ。
カエル、カタツムリ、水たまり。
いろんなものに出会います。

 子どもは長靴が大好き。公民館の子どもたちも、長靴をはいてじゃがいもを掘りました。ミモザさんが『おさんぽ おさんぽ』をじゃがいも掘りに持って行くと、長靴をはいた女の子が手に取り、嬉しそうに指さしていたそうです。子どもは長靴がとにかく大好き。なぜなのでしょう......。


『おべんとう』
小西英子 作/福音館書店


お弁当箱を用意して、さて何を入れよう。
炊きたてのほかほかごはん。
あつあつのミートボールにふんわりたまご焼き。

 食べものは、子どもにとっていちばん身近な、よく知っているもの。ミモザさんいわく、2、3歳児に食べものの絵本を読んであげると、とっても喜ぶんだとか。絵本の中の食べものを手でつまみ出して、「はいどうぞ」と子どもに食べさせるまねをすると、子どもはみんな「あーん」と口を開きます。


『きいろいのはちょうちょ』
五味太郎 作/偕成社


きいろいのはちょうちょ。
きいろいものに網をかぶせると、あれ? ちょうちょじゃない。
きいろいちょうちょを追いかけていく、名作しかけ絵本です。

 ページの中に隠れているちょうちょを、子どもたちはわれ先に「あった!」「ここ!」と指さします。「わかったぞ! 知ってるぞ!」と思うのが嬉しいのです。


 「子どもは、気に入った絵本を何度も読んで! とせがみます。大人は『またそれ?』と思ってしまいますが、飽きずに何度でも読んであげてください。2、3歳頃の子どもは、知っている絵本の展開を『知ってる!』と思って喜びたいのです」とミモザさんは言います。

 また、たとえば動物園で出会った動物、水族館で出会った魚、庭の虫や、毎日食べる食べもの。子どもが見て知ったものが出てくる絵本を読んであげるとよいそうです。

「子どもの『知ってる!』が刺激され、ものの見た目や名前を覚える学習効果も高まります」(ミモザさん)。

 ミモザの読み聞かせ絵本、次回もお楽しみに。





 


  • 書名 おべんとう
  • 監修・編集・著者名小西英子 作
  • 出版社名福音館書店
  • 出版年月日2012年2月 5日
  • 定価990円(税込)
  • 判型・ページ数24ページ
  • ISBN9784834027051

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