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夫婦二人なら、食卓は横並びで。高森寛子さんが80代になって気づいたこと。

85歳現役、暮らしの中心は台所

 エッセイストで、生活道具ギャラリー「スペースたかもり」を主宰する高森寛子さんは、80代になって台所が大事だと思い始め、リフォームに踏み切ったという。

 「人生百年、まだまだ人生を楽しんで生きたい。最後まで自分らしく、愉快に暮らしたい」と語る高森さんがコロナ禍を経て見直した「人生100年時代」の生き方が詰まった『85歳現役、暮らしの中心は台所』(小学館)が6月15日に発売された。本書では、年齢に合った生き方や、夫婦二人暮らしの住まいのあり方、愛用している道具について語っている。

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 生涯現役でいるためには、台所も自分たちの変化に合わせて使いやすいようアップデートが必要だ。高森さんの工夫には、生活を充実させるヒントが詰まっている。

■82歳、台所をリフォーム。

・シンクの下を開けて、車椅子になったとしても仕事ができるように
・背が低くても届く範囲の収納に
・引き出しを整理すると、自分以外の人にもわかりやすい
・冷蔵庫に保存したのをそのまま火にかけられる、琺瑯製品が頼りになる
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天井からついていた吊り戸棚を手が届くところまで引き下げた。

■83歳、コロナ禍で毎日3食料理し始めた。

・食べ方を考え、器を見直した
・向かい合うより横並び。間にジャムやバターのトレイを置く
・量が少なくても小さなお皿を並べると華やぐ
・漆の器は丈夫で軽いが、すべてが漆だと面白くない
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大きなテーブルに、向かい合わせではなく横に並ぶと、話も聞き取りやすい。

■85歳の今、手持ちの生活道具を整理し始めたが、減らないものには理由がある。

・日々を彩る道具について
・ほっこり女子のあこがれの的「木天蓼(またたび)の米とぎざる」
・新しい漆の器「取っ手付きカップ」
・口に触れたとき、その良さが分かる「漆のスプーン」 など
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手仕事の逸品・木天蓼(またたび)のざる

 「目利き」の高森さんが選んだ道具類もたくさん紹介されている。シンプルながらも気の利いたデザインと、使い勝手の良さが信条だ。生活を充実させる「よきもの」を探している人にもおすすめ。

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 高森さんの生き方は、同世代の方も、ご家族に高森さん世代の方がいるという方にも参考になる。好きなものに囲まれて、心穏やかに過ごすヒントをくれる一冊。

■高森寛子さんプロフィール

エッセイスト。ギャラリー「スペースたかもり」主宰。漆の日常食器を主体に年5~6回の企画展を開催している。婦人雑誌の編集者を経て、使い手の立場で、日本にあるさまざまな生活道具のつくり手と使い手をつなごうと、数々の試みを行ってきた。雑誌や新聞に生活工芸品についての原稿を執筆、展覧会等もプロデュース。著書に『美しい日本の道具たち』(晶文社)、『心地いい日本の道具』(亜紀書房)、『漆の器それぞれ』(バジリコ)などがある。
※著者・高森寛子さんの「高」ははしごだか、「寛」は点つき

※画像提供:小学館


  • 書名 85歳現役、暮らしの中心は台所
  • 監修・編集・著者名高森寛子 著
  • 出版社名小学館
  • 出版年月日2022年6月15日
  • 定価1925円(税込)
  • ISBN9784093115131

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