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まるで彫刻。「重ね」が生み出す陰影と錯覚。

立体の模様を作る 彫刻切り絵 陰影の美しさと錯覚のおもしろさ

 和モダンな部屋に似合いそうなこちらの作品。奥行きを感じる繊細な模様が美しい。彫刻に見えるけれど、実はこれ、「彫る」のではなく、「重ねる」手法で作られている。

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「七宝」8cm×8cm(7枚)七宝と花のような2つのデザインの組み合わせ(画像/グラフィック社提供)

 材料は、木ではなく、紙が使われている。図案の異なる紙を何枚も重ねることで、彫刻のような一枚のデザインが完成する、新しい切り絵だ。

 デザインと作り方が掲載されているのがこちら。『立体の模様を作る 彫刻切り絵 陰影の美しさと錯覚のおもしろさ』(グラフィック社)だ。

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 使うものは紙とカッターだけ。シンプルな模様に沿って切り取った紙を重ねると、階段状の美しい奥行きが現れる。均等な段差になるように調整された図案の妙が魅力のひとつだ。

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 一見、複雑で難しそうだが、8cm×8cmの小ぶりな図案から掲載しているので、初心者でも始めやすい。線と段、それぞれの図案を組み合わせることで表現が広がる。

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スワロフスキーや色紙で自由に楽しむ

 考案したのは、石職人の輿石孝志さん。超緻密な一枚切り絵をしていたが、他人とは違う切り絵を目指して、何枚も重ねて作る切り絵を思いついたという。

 彫刻切り絵の魅力の一つは、自由度が高いところ。スワロフスキーなどのパーツをつけて華やかにしたり、紙の色を変えたり、木彫りとは異なる楽しさがある。

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「二連リング」15cm×10cm(8枚)植物とリングの連続模様(画像/グラフィック社提供)

 額に入れたり、箱を彩ったり、日常使いができる小物に落とし込むアイデアも。

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「二連リングボックス」シンプルな形の箱に切り絵の窓をつけて特別な箱に(画像/グラフィック社提供)

 目次は次の通り。

【はじめに】彫刻切り絵とは、この本の使い方/【段】リップル、ラウンドコーナー、チェス、サザンクロス、グリッド、サイクロン、ヘルツ/【線】オクタゴン、フラワー、七宝、ストリング、ハニカム、彫刻桔梗、三心/
【段と線、図案のミックス】ゴシッククロス+ウインドウ、チャーチドア、イスラム幾何学栞、二連リング/アレンジ1 順番を混ぜる、アレンジ2 陰影の効果/【飾る、使う】スノーボックス、二連リングボックス、スターダスト、箱の作り方/道具と材料、カットのしかた、アート作品/how to make 図案

 じっくりと紙に向き合って美しい図案を作り上げる切り絵の世界は奥が深い。ずっと楽しめる良い趣味になりそうだ。4月から新しい趣味を開拓したい方にもオススメだ。


※画像提供:グラフィック社


  • 書名 立体の模様を作る 彫刻切り絵 陰影の美しさと錯覚のおもしろさ
  • 監修・編集・著者名輿石孝志 著
  • 出版社名グラフィック社
  • 出版年月日2022年4月25日
  • 定価1760円(税込)
  • 判型・ページ数B5変形・144ページ
  • ISBN9784766135572

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