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お茶碗を回すのはなぜ? 「凛とした心」を、茶道でそだてる。<第4回>

「お茶」を学ぶ人だけが知っている凛として美しい内面の磨き方

 何にも乱されず、凛として穏やか。そんな内面をつくってくれるのが、茶道だ。しんとした空間で、相手のことだけを思ってお茶を点てる。その心得と礼儀作法が、美しい心を育ててくれる。

 さらには、生活習慣・所作・コミュニケーション力・「和」の知識・健康などなど......お茶は、私たちにさまざまなよいことをもたらしてくれるのだ。

 でも、茶道ってなんだか敷居が高そう......。そんなあなたにおすすめしたいのが、『「お茶」を学ぶ人だけが知っている凛として美しい内面の磨き方』(実務教育出版)。裏千家茶道家の竹田理絵さんが、心を育てる茶道の本質を、ていねいにわかりやすく教えてくれる。

ここでは特別に、第1章全文を11回の連載形式でご紹介する。第4回は、「お茶碗を回す」作法について。そこには、「謙虚な心」を表すという意味があるそうだ。
はじめから読む


(以下、本文より)
お茶椀を回してからいただく ――謙虚な心になる

 茶道の経験がない方でも、お茶を飲む前後にお茶碗を回す作法は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
 ではなぜ、お茶碗を回すのでしょうか。
 それは、お茶碗を回す行為一つで謙虚な心を表すことができるからです。

 お茶碗が一番美しく見える位置、それはお茶碗の「正面」です。
 ですから、お客様には、お茶碗が一番美しく見える正面を向けてお出しします。
 それに対し、お客様は「一番綺麗に見える部分に唇が触れることを避ける」謙虚な心から、お茶碗を回して正面をずらしてからいただくのです(いただく前に右に二回、いただいた後に左に二回回して元の正面に戻します)。

 海外のお客様にお茶碗を回す意味をお伝えすると、「お客様を思う心でお茶碗の正面を見せ、お客様は謙虚な気持ちでお茶碗を回す。それによって言葉を用いずにコミュニケーションが取れるなんて、自国にはない作法でとても魅力的です」と感動されていました。

 謙虚とは「控えめでつつましい」ことを意味します。古来より日本人は謙虚であることを美徳としてきましたが、最近ではさまざまな場面でこの大切な心が失われつつあるように感じます。
 利休は日本人の精神性の貴さとはかなさを本質的に理解していて、茶道における一つひとつの所作の中に、その心を残しておきたかったのかもしれません。


■竹田理絵(たけだ・りえ)さんプロフィール
 茶道家(裏千家教授)、株式会社茶禅代表取締役。
 神楽坂生まれの三代目江戸っ子。青山学院大学文学部卒業後、日本IBMに入社。日本の伝統文化の素晴らしさを伝えるため、退社後、株式会社茶禅を設立。銀座と浅草に、敷居は低いが本格的な茶道を体験できる茶室を開設する。世界30ヵ国の人々に日本の伝統文化を伝え、のべ生徒数は3万人超。また、10ヵ国以上の国々に赴き、さまざまな場所で茶道の点前を披露してきた。2017年、ブルネイ国王即位50周年時にブルネイにて茶会を披露。各国首相や大使館、官庁、VIP、一部上場企業からの信頼も厚く、お茶会を多数実施。千利休から学ぶビジネス研修は経営者が注目し、企業研修にも取り入れられている。ハーバード大学等、茶道を取り入れた教育・教養研修実績多数。初めての著書『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』(自由国民社)は3.3万部を超えるベストセラーになった。
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竹田理絵さん

※画像提供:実務教育出版


 
  • 書名 「お茶」を学ぶ人だけが知っている凛として美しい内面の磨き方
  • 監修・編集・著者名竹田 理絵 著
  • 出版社名実務教育出版
  • 出版年月日2022年2月 1日
  • 定価1650円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・272ページ
  • ISBN9784788926196

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