何にも乱されず、凛として穏やか。そんな内面をつくってくれるのが、茶道だ。しんとした空間で、相手のことだけを思ってお茶を点てる。その心得と礼儀作法が、美しい心を育ててくれる。
さらには、生活習慣・所作・コミュニケーション力・「和」の知識・健康などなど......お茶は、私たちにさまざまなよいことをもたらしてくれるのだ。
でも、茶道ってなんだか敷居が高そう......。そんなあなたにおすすめしたいのが、『「お茶」を学ぶ人だけが知っている凛として美しい内面の磨き方』(実務教育出版)。裏千家茶道家の竹田理絵さんが、心を育てる茶道の本質を、ていねいにわかりやすく教えてくれる。
ここでは特別に、第1章全文を11回の連載形式でご紹介する。今回は第2回。現代人にこそ茶道をすすめたい、その理由とは。
はじめから読む
(以下本文より)
目の前のことにだけ意識を集中させる ――穏やかな心になる
私も皆さんと同じように、毎日せわしない日々を過ごしています。そのような時、日常を離れ、清められた空気の茶室に入ると、自然と背筋が伸び、目の前のお茶を美味しく点てることだけに集中している自分がいます。
ひとたびお点前に集中すると、雑念が一切頭に浮かばなくなり、心が整い穏やかになります。
それは、目の前のことだけに意識を向け、丁寧に所作を行うことで、心を穏やかに保つことができるからです。
スマートフォンで大量の情報を受け取り、多くの仕事を抱える現代人は、心穏やかに過ごせる時間と集中力が、昔よりも減っていると言われます。
そんな時こそ、五分でいいので仕事や家事をいったん脇に置き、目の前のことに集中してみてください。
例えば、お気に入りのお茶をお気に入りのお茶碗で丁寧に淹れてみる。そうするだけで、雑念が取り払われて精神的な余裕が生まれ、心が穏やかになるはずです。
■竹田理絵(たけだ・りえ)さんプロフィール
茶道家(裏千家教授)、株式会社茶禅代表取締役。
神楽坂生まれの三代目江戸っ子。青山学院大学文学部卒業後、日本IBMに入社。日本の伝統文化の素晴らしさを伝えるため、退社後、株式会社茶禅を設立。銀座と浅草に、敷居は低いが本格的な茶道を体験できる茶室を開設する。世界30ヵ国の人々に日本の伝統文化を伝え、のべ生徒数は3万人超。また、10ヵ国以上の国々に赴き、さまざまな場所で茶道の点前を披露してきた。2017年、ブルネイ国王即位50周年時にブルネイにて茶会を披露。各国首相や大使館、官庁、VIP、一部上場企業からの信頼も厚く、お茶会を多数実施。千利休から学ぶビジネス研修は経営者が注目し、企業研修にも取り入れられている。ハーバード大学等、茶道を取り入れた教育・教養研修実績多数。初めての著書『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』(自由国民社)は3.3万部を超えるベストセラーになった。
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