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「凛とした心」を、茶道でそだてる。第1回 常に自分らしく生きていきたいのなら

「お茶」を学ぶ人だけが知っている 凛として美しい内面の磨き方

 何にも乱されず、凛として穏やか。そんな内面をつくってくれるのが、茶道だ。しんとした空間で、相手のことだけを思ってお茶を点てる。その心得と礼儀作法が、美しい心を育ててくれる。

 さらには、生活習慣・所作・コミュニケーション力・「和」の知識・健康などなど......お茶は、私たちにさまざまなよいことをもたらしてくれるのだ。

 でも、茶道ってなんだか敷居が高そう......。そんなあなたにおすすめしたいのが、『「お茶」を学ぶ人だけが知っている凛として美しい内面の磨き方』(実務教育出版)。裏千家茶道家の竹田理絵さんが、心を育てる茶道の本質を、ていねいにわかりやすく教えてくれる。

 ここでは特別に、第1章全文を11回の連載形式でご紹介する。第1回は、茶室の入り口について。茶室の入り口はとても小さく、かがまなければ入れない。なぜそんなに小さいのだろうか? そこには千利休のある思いがあった。


(以下本文より)

茶室の入り口のいわれを知る ――平等な心になる

 茶室の入り口は、「躙(にじ)り口」と呼ばれる60センチ四方の小さなものです。 「躙る」とは、正座の状態のまま、両手の握りこぶしを軸にして膝を前に進ませることをいいます。日常生活では、行わない動作ですよね。
 なぜ、このような小さな入口が生まれたのでしょうか。

 茶道と切っても切れない禅の精神は「静謐」、つまり静けさ。それは、争いとは無縁の状態です。しかし、利休の時代は、争いそのものが日常の戦国時代。刀を持つ武士が、大きな権力を持っていました。
 そこで、利休は舟座敷の小さな出入り口を見て、着想を得たといわれています。
 入り口が小さければ、必然的に刀を茶室の手前にある刀掛けに置いていくことになります。また、どんなに身分の高い人でも、躙り口を通る時には頭を下げなければ入ることができません。
 利休のこの機転により、茶室の中はすべての人が平等で、平和な世界となったのです。

 以前、私の茶室にいらしたお客様に躙り口のいわれをお話ししたところ、「私は、自分でも気づかないうちに自分を卑下したり、目上の人にへつらったりして落ち込むことがあるので、今のお話がとても響きました」とおっしゃってくれました。

 躙り口をご覧になった外国人のお客様は、その小ささに必ずと言っていいほど驚かれますが、いわれを知ると深い感銘を受け、どんなに身体の大きなお客様でも、「にじり口から入りたい」とおっしゃいます。
 以前いらしたニュージーランドのラグビーチーム「オールブラックス」のお客様も、皆大きな体を半分ほどに丸めてお入りになり、「とても素敵な入口ですね」と喜んでいらっしゃいました。

 常に自分らしく生きていきたいと思うなら、人と比べることなくありのままの自分を認め、利休のように平等な心を持ち続けたいと思います。

■竹田理絵(たけだ・りえ)さんプロフィール
 茶道家(裏千家教授)、株式会社茶禅代表取締役。
 神楽坂生まれの三代目江戸っ子。青山学院大学文学部卒業後、日本IBMに入社。日本の伝統文化の素晴らしさを伝えるため、退社後、株式会社茶禅を設立。銀座と浅草に、敷居は低いが本格的な茶道を体験できる茶室を開設する。世界30ヵ国の人々に日本の伝統文化を伝え、のべ生徒数は3万人超。また、10ヵ国以上の国々に赴き、さまざまな場所で茶道の点前を披露してきた。2017年、ブルネイ国王即位50周年時にブルネイにて茶会を披露。各国首相や大使館、官庁、VIP、一部上場企業からの信頼も厚く、お茶会を多数実施。千利休から学ぶビジネス研修は経営者が注目し、企業研修にも取り入れられている。ハーバード大学等、茶道を取り入れた教育・教養研修実績多数。初めての著書『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』(自由国民社)は3.3万部を超えるベストセラーになった。
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竹田理絵さん

※画像提供:実務教育出版


 
  • 書名 「お茶」を学ぶ人だけが知っている 凛として美しい内面の磨き方
  • 監修・編集・著者名竹田 理絵 著
  • 出版社名実務教育出版
  • 出版年月日2022年2月 1日
  • 定価1650円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・272ページ
  • ISBN9784788926196

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