中流家庭に育ち、そこそこの大学を出て、社会人としても家庭人としても、まあまあなんとかやっている。でも、自己肯定感が低く、ついネガティブな考え方をしてしまう――。
そんな人には、「ぬり絵」が役に立つかもしれない。
作業療法にも使われることがあり、脳疾患からの回復や認知症の予防に適しているとリハビリ業界でも注目されている「ぬり絵」。指先を使う細かな作業やどのように塗っていくか計画を立てたりすることが脳全体を刺激するという。さらに、自己肯定感が高まるマインドフルネス的な効果もあるという。そこで本記事では、無心になれるぬり絵の本を3冊紹介する。
『自己肯定感がぐんぐん高まる魔法のぬり絵』(中島 輝 監修/仁敷典子 画・宝島社)が2021年12月に発売された。「塗り絵で自己肯定感が高まる?」と疑問に思う方もいるのではないだろうか。自己肯定感が高まるメカニズムは次の4つだそうだ。
1. 情動発散を導く
「情動発散」とは、簡単に言うとガス抜きのことだという。塗り絵に取り組むことでワクワクしてイライラが低減する効果があるようだ。
2. フロー状態に入る
「フロー状態」とは、なにかに没頭している状態を指す。没頭しリラックスすることで、周囲と自分を許し自己肯定感が高まっていくとのこと。
3. 自分で決めて表現する
使う画材や塗る色、塗り方など「小さい決断」をしていくことで、自己決定感と自己肯定感を高めることができる。
4. 右脳と左脳のバランスが整う
自己肯定感が低い人は右脳と左脳のバランスが崩れているという。塗り絵はアートであると同時に理性的に考えて進める必要があるため、右脳と左脳のバランスが整っていくとのこと。
記者が実際に試してみた。花や海の生き物など具体的なモチーフは、塗っていて楽しい。また、ここは何色にしよう、どうやって塗ろう......と意外に頭を使う。一つ一つは小さい決断だが、自己肯定感を高めるためには小さな一歩が大切なのだと感じた。
見たり貼ったりするだけで不調が改善すると人気の「クスリ絵」。ポストカードタイプになっている『クスリ絵 心を癒すぬりえ』(宝島社)は、塗り終わったら誰かにプレゼントしてみるのもいいかもしれない。
実際に塗ってみたところ、抽象的かつとても細かい模様で、かなり無心になれる。色鉛筆もいいかもしれないが、ザザッと全体を塗りやすいアルコールマーカーで塗るのもおすすめだ。アルコールマーカーは100均で手軽にゲットできる。
絵の具や絵筆、イラストなどがセットになっている『誰でも簡単! 油絵ぬり絵』(森松輝夫 監修・宝島社)もおすすめだ。特別付録の油絵ぬり絵7点セットの内容は、下記の通り。
【1】キャンバス3枚(絵柄3種)(各サイズ:縦25×横18cm)
【2】完成図3枚
【3】設計図3枚
【4】組み立て式木枠(画鋲付き)
【5】パレット
【6】絵筆3本(平筆×1 、丸筆×2)
【7】アクリル絵の具20色
キャンバスから筆、絵具、パレット、完成した絵を飾る木枠までついていて、3960円はかなりお値打ち。
アクリル絵の具は水に溶いて使える手軽さと容易に重ね塗りができるため、誰にでも扱いやすいのが特徴だ。キャンバスには3種の絵柄が線画で描かれ、使う絵の具の色番号が書かれているので、そのとおりに塗っていくと綺麗な絵が出来上がる。油絵はハードルが高いが、まずはこのアクリル絵の具のセットで、油絵風のぬり絵を楽しんでみてはどうだろうか。
試しに花火の絵柄を塗ってみた。建物はかなり細かく疲れたが、番号通りに塗っていけばそれっぽくなるので楽しかった。
ぬり絵なんて子どものころ以来、という人も多いことだろう。この機会に塗り絵を試してみて、頭がクリアになる感覚を掴んでみてほしい。
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