白くてモフモフしたアルパカの群れ。この中に1頭、ラマが混じっている。どれだかわかるだろうか。
長い時間をかけて自然環境に適応した動物たちは、元々は別の種類であってもなぜか似た見かけや習性をもつことがあるという。今回はそんな動物たちを集めた1冊を紹介しよう。
2021年11月22日『そっくりなのにぜんぜんちがう 世界一まぎらわしい動物図鑑』(小学館)が発売された。
本書は『ざんねんないきもの事典』『わけあって絶滅しました。』でお馴染みの今泉忠明さんが監修をつとめる動物学の入門書。姿形や習性はそっくりでも実はまったく別の動物=「まぎらわしい動物」にスポットを当てていく。
冒頭の問題の答えは、左奥で首を伸ばしている1頭。アルパカではなく、ラマだ。アルパカはピクーニャというラクダの仲間を、ラマはグアナコというラクダの仲間を家畜にしたものだそう。ふわふわのアルパカは毛を利用するために、体力があり足が速いラマは荷物を運ぶのに利用されてきた。見分け方のポイントは、ラマはアルパカと比べて耳が長めで毛がぼさぼさしていること。アルパカの毛をそってしまうと見分けがつきにくいが、耳に注目すると違いが分かる。
続いて2問目。よく似たポーズをとっているミーアキャットとプレーリードッグ。それぞれ何頭いる?
第3問はこちら。どっちがタヌキでどっちがアライグマ? 奥にいるのは......?
第4問。シカとカモシカ。これは分かりそう。ちなみに奥にいるのはシカでもカモシカでもない。
収録されている動物は約70種類。図解も豊富なのでお子さんといっしょにクイズを楽しみながら、ちょっと物知りになれる。
動物好きなお子さんにはクリスマスのプレゼントにも良さそうだ。もちろん大人が読んでも楽しい。ユニークな動物の世界の扉を開いてみてはいかがだろうか。
後半のクイズの正解はこちら。
第2問 ミーアキャットが9頭、右手前にプレーリードッグが3頭。
第3問 左:タヌキ 右:アライグマ 奥:アナグマ
第4問 左:シカ 右:カモシカ 右奥:キョン
■今泉忠明さんプロフィール
動物学者。1944 年東京都生まれ。東京水産大学( 現・東京海洋大学) 卒業後、国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現・文部科学省)の国際生物学事業計画調査や環境庁(現・環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加。上野動物園の動物解説員、ねこの博物館館長、日本動物科学研究所所長などを歴任。長年、奥多摩や富士山で自然調査を行うとともに現在は、子どもたちに生き物やフィールドワークの楽しさを伝える「けもの塾」を主催。ベストセラー『ざんねんないきもの事典』のほか、多くの図鑑監修を手掛ける。
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