子どもの発想は自由だ。SNSに投稿される小さな子のエピソードにクスっと笑った人も多いだろう。しかし小学生ともなると、今ドキの子はおとなびていて現実的なんじゃないだろうか...。なんて心配はご無用。今回は、たくさんの小学生にインタビューを重ねたユニークな1冊を紹介していこう。
2021年10月29日『おしえてコドモNOW!』(小学館)が発売された。
本書は、2017年から5年間『Web Domani』で連載された、小学生へのインタビューを通して子どもの「今」を探る大人気ルポエッセイを書籍化したもの。漫画家・エッセイストのしまおまほさんが、小学生と対話する中で見出した「コドモの今どき」を描きおろしのイラストとともに紹介していく。
36人にインタビューした連載記事に加えて、幼児教育学者の小川博久先生へのインタビューや、しまおさんが長年ラジオで共演しているRHYMESTER(ライムスター)宇多丸さんとの「おしえてコドモ対談」も掲載している。
では、本書の内容を一部紹介していこう。
■36人の子どもたちへのインタビュー
①塾で特待生の9歳男子「あおぺ」が語る将来の夢
あおぺ:研究者か、宇宙飛行士か、考古学者。
まほ:なれそう。
あおぺ:ちょっと前まではトラック運転手。
まほ:あれ、全然違う(笑)。じゃあ、妹にはどんな大人になってほしい?
あおぺ:あーたん?
まほ:そう、アイドルとか、先生とか......。
あおぺ:いや、あーたんは好きなように生きればいい。
たしかに小学生のころは将来の夢がコロコロ変わっていたかも。色々なことが魅力的に見えた思い出。
②イマドキの小学生姉妹「ツムちゃん」(8歳)と「コズちゃん」(6歳)の将来の夢は?
ツム:3年間ディズニーランドに住む。
父:オレはいやだ。
まほ:わたしもムリ(笑)。コズちゃんは?
コズ:朝ちゃんぽん、昼ちゃんぽん、夜ちゃんぽーん!
まほ:すぐ叶いそう(笑)。ちゃんぽん、本当に好きなのね。
ディズニーランドに住むなんて可愛らしい発想。大好きなものを毎日食べたいのも小学生ならではの発言で素敵だ。
本書のインタビューのキモは親でも先生でもない利害関係の外にいる大人が、子どもと対等に話をすることだ。
「何が好きだ、嫌いだ、何が得意か、友だちの名前教えろと矢継ぎ早に質問され......よくわからないままおしゃべりして帰る、という子ども自身には『?』な1日だったと思います」(著者・しまおまほさん)
しまおさんだからこそ子どもたちの名言(迷言)を引き出せたのではないだろうか。
◎なんかさーコイツ(アヤタ)が「もうお兄ちゃん飽きたからあげるよ」って言い出してさ-。(双子の"兄"ハルタくん・10歳)
◎あ、最後に小学生らしいこと言ってもいいですか?(はーちゃん・10歳)
◎子どもの義務じゃないからね。国民の三大義務は「納税・勤労・教育」だから。(のどかくん・11歳)
しまおさんが子どもたちと同じ目線で引き出した言葉は、どれも笑えるものばかり。今ドキと言えば今ドキなのかもしれないが、ちゃんと「ほほえましさ」もある子どもたちの発言にほっこりする。息抜きしたい時におすすめ。
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