日本人は休むのが苦手だと言われる。学校でも頑張ることは教わったが、休むことの大切さは教わった記憶がない。
社会に出て、仕事に家事に子育てにと頑張るのがクセになり、多くの人は、毎日「なんだかしんどい」と感じながらも、つい頑張ってしまう。本来、体を休めるための睡眠も栄養も「頑張って」とっているくらいだ。
京都でお灸と養生の専門サロン「お灸堂」を営むすきさんは、現代人には「体を養う」ことが決定的に足りていない、と指摘する。親しみやすくユーモアのある「養生」ツイートで注目を集めているすきさん。このたび、からだを休ませる方法を一冊の本にまとめた。その本がこちら。
「いつも頑張っているあなたに お疲れさま 心と体をほっとゆるめに行きませんか」
オープニングからゆるっとしていて、嬉しくなる。
「ここ京都のお灸堂へすきさんを訪ねます。
温め方、ゆるめ方、養い方......
養生の世界に触れてみましょう」
ページを繰ると、両手を広げたすきさんが迎えてくれる。
「さあ、私と一緒に養生していきましょう。『何だかしんどい』がスーッとラクになりますよ」
本書では、無意識に私たちをしんどくさせていた「頑張る」を「養う」にシフトして、自分を大切にする方法と心の荷物をそっと下ろす考え方のヒントや「養生」のノウハウをやさしく伝えてくれる。
「養生」は「頑張る」の対になる言葉で、東洋医学では、「生命を養うこと」を意味する。つまり、自分の体を大事にする生き方や作法のことなのだ。体は鍛えたら強くなるけど、生命は鍛えても強くならないから養生が必要だという。
難しいことではなく、早寝早起き、手洗いうがいのように誰でもちょっと意識すればできることばかり。簡単なことの積み重ねが体と人生を大きく変えていく。
例えば、下記のような方法が紹介されている。
・誰でも簡単にプロ並みにできる「温め養生」
・体と心が一瞬でゆるむ「蒸しタオル養生」
・目が疲れたら、両耳を「手当て」
・疲れたときほど「座る」より「歩く」
・ストレスには「爪もみ」
・「規則正しい生活」より「季節に合わせた生活」
「あーしんど」と感じたら、体を温めたり、散歩をしたり、自分の心と体にゆっくり向き合ってみよう。
目次は以下の通り。
CHAPTER1 養生とは「自分を大事にする」作法
CHAPTER2 温める養生
CHAPTER3 眠る養生
CHAPTER4 触れる養生
CHAPTER5 動く養生
CHAPTER6 季節の養生
CHAPTER7 環境の養生
ついつい頑張ってしまうのは悪いことではないけれど、「養生」とのバランスを取ることが大事だと、すきさんは言う。自分の大切な心と体を上手に養って、「なんとなくしんどい」を解消しよう。
■すきさんプロフィール本名・鋤柄 誉啓(すきから たかあき)。1985年愛知県生まれ、京都府在住。鍼灸師・お灸堂院長。明治国際医療大学にて鍼師、灸師の国家資格を取得後、2013年、お灸と養生の専門サロン「お灸堂」を京都で開院。独自の心地よいお灸の施術が評判を呼び、地元はもとより全国から来院者がやってくるように。現在は、自院で日々施術や健康相談にのるかたわら、「シンプル」「わかりやすい」「ユーモア」をモットーに、楽しく続けられるお灸や養生についてのコツを、毎日Twitterで発信中。また、テレビやラジオへの出演、雑誌コラムの執筆、お灸にまつわるプロダクトの企画・販売(フェリシモ「ふれあい灸活プログラム」)など、臨床家の枠にとらわれない幅広い活動を行っている。鍼灸専門学校やオンラインサロンで鍼灸師指導を行うなど、後進の育成にも力を入れている。 監修した本に、『きょうの灸せんせい』(秋田書店)がある。
◎Twitterアカウント すきさん @sukikara_okyudo
https://twitter.com/sukikara_okyudo
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