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「ボルトン回顧録」日本語版、9月18日発売決まる

 アメリカで、発売1週間で78万部を突破したトランプ政権の前大統領補佐官ジョン・ボルトン氏による回顧録『それが起きた部屋(The room where it happened)』の日本語版が2020年9月18日、朝日新聞出版から緊急発売される。タイトルは『ジョン・ボルトン回顧録(仮)』。

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画像は『ジョン・ボルトン回顧録(仮)』(朝日新聞出版)

 注目すべきは、著者が在任中のトランプ大統領と各国要人との詳細なやりとりだ。中でも、日本に対する言及は実に150か所以上にも及び、安倍首相や日本版NSCである国家安全保障局長だった谷内正太郎氏との会話など、日米外交の裏側が生々しく再現されている。

 さらに対北朝鮮問題での、日韓の主張の違いも明確に示されている。たとえば、ハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わり、北朝鮮のミサイル再発射直後、日韓の両首脳からトランプ大統領に電話が入る。「制裁の効果もあり金正恩がいら立っている表れだ」と、トランプの政策を褒めたたえる安倍首相に対し、文在寅大統領は「とにかく大きな問題にせずに食糧支援をしてほしい」。描かれる会話は詳細だ。

 ほかにも、大阪で開催されたG20サミットで、トランプ大統領から習近平国家主席への「お願い」など、これまでの報道だけではわからない各国首脳との知られざるやり取りを暴露。回顧録は一般に、当事者がリタイアし、少し時間が経ってから刊行されるものだが、本書のように直近の外交問題の内幕や、要人たちの息遣いが、元側近からこれほど素早く赤裸々に明らかにされるのは珍しい。600ページを超える大著となる予定だ。

 BOOKウォッチでは関連で『ドナルド・トランプの危険な兆候』(岩波書店)、『兵器を買わされる日本』 (文春新書)『恐怖の男――トランプ政権の真実』(日本経済新聞出版社)、『アメリカはなぜ戦争に負け続けたのか――歴代大統領と失敗の戦後史』(中央公論新社)、『壁の向こうの住人たち』(岩波書店)なども紹介している。


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