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みんな、切り方スルーしてない? おいしいせん切りキャベツを作ろう

 ベジファーストなど、健康志向の食事ではサラダや生野菜が人気だ。皮下脂肪をおさえたい方など、食事はキャベツからというパターンも多いのでは。そんなときに参考になるのが『世界一おいしいせん切りキャベツの作り方 料理は切り方が9割』(講談社)だ。

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写真は『世界一おいしいせん切りキャベツの作り方 料理は切り方が9割』(講談社)

作り方のポイントは、切る前にあった

 著者の川上文代さんは料理の講師歴30年以上、たくさんのプロも育ててきたベテラン。NHKきょうの料理の講師なども務め、分かりやすさにも定評がある。
 川上さんによると、おいしいキャベツのせん切りを作るポイントは、「よく見ること」だという。調理法や手順を気遣う人は多いが、その前に、「素材をよく見る」ことが大切で、素材をみるだけでわかることは多いのだそう。例えば、鮮度の見極めは特に重要で、料理の出来栄えを左右する。キャベツで言えば、「しなっとしている」「元気がない」キャベツだったら、まずは水につけて「みずみずしく」シャキッとさせることが大切と説く。
 そのほかにも、見ることで分かるポイントは多いが、詳しくは本書に任せたい。

ボールペンで書いた線

 おいしいキャベツのせん切りは、ボールペンで書いた線の太さが理想だという。引用した写真の通り、葉を一枚一枚丁寧にはがし、揃えてきっちりまるめて切る。その細さは「ボールペンで書いた線」が美味しいという。いわば、"線切り"だ。もはや、お気づきの方もいるかもしれないが、本書の書名は「せん切り」と表現している。「千切り」ではない。そのあたりも、川上さんのおいしさへのこだわりかもしれない。

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写真は、キャベツのせん切りのページ『世界一おいしいせん切りキャベツの作り方 料理は切り方が9割』(講談社)p.46より

 ここまでキャベツに注目して本稿を書いているが、実は、本書は、キャベツのせん切りに特化した本ではない。タイトルに「料理は切り方が9割」とあり、実は、素材の切り方の本である。
 川上さんは本書のカバーで

 「みんなふだん、切り方はスルーしてるでしょ!?」
 と述べている。
 さらに、レシピ集には切り方は書いてあっても、それが、なぜそういう切り方なのかは割愛されていることが多いとのこと。本書は、味わいを高める切り方、味をしみこませる切り方など、さまざまな技法を解説し、切り方の「なぜ」にこたえている。また、巻末には間違った切り方についても触れているので、さらに料理をおいしくしたい方は、参考になるだろう。

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写真は、チンジャオニューロースーの素材の切り方のページ。『世界一おいしいせん切りキャベツの作り方 料理は切り方が9割』(講談社)p.146より

 なお、BOOKウォッチでは、レシピ関連で『レシピに頼らず料理は割合で・・・』なども紹介している。

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