1月12日より放送が始まったドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系列)。
原作本がシリーズ累計180万部を突破していることもあり、手に取ったことがある人も多いだろう。
原作本は、フロイト、ユングと並び、「心理学の三大巨頭」の一角として知られるアドラーが提唱した心理学の内容を、対話形式で分かりやすく解説したもの。「トラウマは存在しない」を始めとしたユニークな主張がヒットの要因のひとつである一方、その主張になじめない人も存在する。
ただ、こうした人であっても、『嫌われる勇気』がテーマとして扱う「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という普遍的なテーマは無視できないはずだ。
■行き詰まりを感じている人が向かうべき「真のゴール」
『思い描いた未来が現実になる ゴールドビジョン』(PHP研究所刊)の著者である久野和禎氏はコーチングという見地から、『嫌われる勇気』と同様のテーマを追求してゆく。
たとえば「ありのままの自分を受け入れられない」という状態がある。これは自分の現在に満足できない状態であり、いうまでもなくとても苦しい。
久野氏は、こうした行き詰まりを打開するために考えるべきは、「自分が向かうべき『真のゴール』は何か」だと指摘している。
逆にいえば、真のゴールを見つけ、そのゴール実現に向けて「いまの自分」を変えようとし続けていれば、「このままでいいのだろうか…」という不満足の状態で立ち止まることはなくなるというわけだ。
■脳の仕組みにもとづいた「真のゴール」の見つけ方
では、どのように真のゴールを見つければよいのか。重要なのは、「現状の外で考えること」だと久野氏は語る。
たとえば、いまの自分の年収が500万円、自分の会社の社長の年収が2500万円だとして、年収5倍を目指す。これでは社長になりさえすれば目標が達成できることになる。つまり、「現状の中」でしか目標を考えていないことを意味する。
しかし、「最低でも年収10倍を目指す」ぐらいまで突き抜けた目標を設定すると、現状をベースに考えていても実現方法は思いつかない。
これはお金だけでなく、家族や趣味、健康など様々な方面に対しても同じように考えるのが望ましい。
久野氏によれば、脳はもともと現状維持を好む。ゆえに放っておくと、脳は「望んでいる状態」よりも「慣れ親しんだ状態」へ流れていこうとするのだという。
そうならないため、意識的に「現状の外」で目標を設定しようとすることにより、発想に大きな飛躍が生まれ、自分でも思ってもいなかったような成果を生むことができる。これこそが、大きな幸せをつかむことにつながるのだ。
ちなみに、これらのことは、久野氏の提唱する「ゴールドビジョン」なるメソッドにもとづいて述べられている。このメソッドをひと言で表すなら、「すでに実現された」と感じられるほど、ありありと自分の輝かしい未来を想像するためのもの。いまの自分に満足が行っていないなら、チェックしてみる価値はあるだろう。
(新刊JP編集部)
『思い描いた未来が現実になる ゴールドビジョン』(PHP研究所刊)