『白鵬翔とのショートメール！　孤独なひとり旅』　浅野勝人著

　ＮＨＫ解説委員から政界に転じ、官房副長官や外務副大臣などを歴任した著者が、第69代横綱・白鵬とのショートメールを通じて、「横綱の生き様」に迫りたいと執筆した意欲作。

　2016年5月場所で優勝が決まった直後、著者は「おめでとう！」と祝福し、大関・稀勢の里（当時）の奮起を促すメールを送った。白鵬は「大事なのは、なんとしても勝つという秘めた執念ではないかと思います。自分はこの1勝、この1勝に全人格をかけています」と返信した。

　昨年4月の春場所の千秋楽。白鵬は優勝インタビュー後、ファンとともに「三本締め」をして批判を受けた。白鵬は「伝統を無視したり、協会を蔑（ないがし）ろにする気は微塵（みじん）もありません。賜杯を賜る天皇陛下への感謝の気持ちを込めて〝平成〟を締めくくれば、ファンの皆さんもきっと喜んでくれると思っただけです」「これからは何事もまず親方に相談します」と吐露した。記録以上に、白鵬の魅力を感じる1冊だ。