「孤独」という言葉にはなにやら心寂しい、不幸なイメージがつきまとう。
だが、この20年ほどひとり暮らしをしている著者は、取り込まれる前に取り込んでしまえば、孤独はさして悪いものではない、と語る。86歳になり、物忘れや体調の変化など悩みは増えたが、ひとり身の気苦労こそ若さの源泉。持ち前の好奇心と冒険心に駆られて行動しなかったら、私には退屈な老後だけしかなかった、と言い切る。
長らく女優として作家として第一線で活躍してきた「岸恵子」という女性の、あの凛(りん)としたたたずまい、美しさはどこから生まれるのか。誰もが感じるそんな疑問に応えるように、著者は今現在の暮らしぶりとともに、「自立」や「老い」に対する想いを赤裸々につづる。
出色の読後感。年齢を問わず、人生はこれから!という前向きな気持ちにさせてくれる感動的な1冊だ。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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