「没イチ　パートナーを亡くしてからの生き方」小谷みどり著

配偶者と死別した境遇を「バツイチ」ならぬ「没イチ」と呼ぶ著者自身、7年前に夫を突然死で亡くした。検視・解剖を経ても「死因不詳」。死因を知りたい一心で過労死申請に踏み切ると、夫の同僚からは「あの程度で過労死？」と心ない言葉。他方で周囲の過度な同情に居心地の悪さを覚え、元来の明るい性格のまま過ごせば不謹慎とでも言いたそうな反応をされた。

そんな中、死生学研究の講義を持つシニア向け大学で生徒の没イチ仲間と「没イチ会」を結成。「死別した配偶者の分まで2倍人生を楽しむ使命」を共有し、1人の人生をどう生きるかを模索する。周囲の没イチ体験談、悲しみや喪失感を抱えつつ1人で生きねばならない時に知っておきたいこと、没イチだからこその「終活」など、当事者の励みになればと本書を執筆した。配偶者、パートナーがいればいつか、どちらかが必ず没イチになる。死別はひとごとではない。