読むべき本、見逃していない?

銀座に「一流が集まる」サロンがある!

  • 書名 慎太郎ママの「毎日の幸せ探し」
  • サブタイトル銀座のパワースポットサロン発
  • 監修・編集・著者名矢部慎太郎 著
  • 出版社名講談社
  • 出版年月日2019年9月10日
  • 定価本体1000円+税
  • 判型・ページ数四六判・157ページ
  • ISBN9784065156674

 東京・銀座八丁目に政財界人・文化人・芸能人・一流クラブのママが集うサロンがあるという。「銀座のパワースポット」とも呼ばれる「サロン・ド 慎太郎」だ。ママの矢部慎太郎さんが本書『慎太郎ママの「毎日の幸せ探し」』(講談社)の著者である。

一流に接して生まれた本

 矢部さんが人生相談に答えるという体裁をとりながら、ポジティブなものの捉え方、人脈の増やし方など、一流の人に接する中で見えてきた、「一流の在り方」にふれた本だ。

 妖艶な写真を見て、最初は女性かと思ったら、本書の中でニューハーフであることを明かしている。北海道出身。京都・祇園でデビューし、2000年に大阪・北新地で「サロン・ド 慎太郎」をオープン。2003年に銀座に移転。このほかに金沢、京都などにも飲食店を持ち、東京・神楽坂でうつわの店を経営する、というから相当なやり手である。

 銀座のママが書いた本はいろいろ読んだことがあるので、その手の苦労話や自慢、処世訓が書かれていると思ったら、まったく違っていた。

 とりあえず、恋愛相談から紹介しよう。

「今の生活に不満があるわけではないけれど、彼氏ができないと言い続けてはや4年。このままで結婚などできるのか、なんとなく将来が心配です」

 これに対して慎太郎ママは「不満がない」というのはものすごい幸せなこと。恋愛も結婚もしないといけないわけではない、と回答する。

 「仕事で日々接する人が苦手。うまい対処法は?」という質問には、「意地悪を言う人はどこにでもいる。大切なのは、一喜一憂せず心の平和を保つこと」と答える。

 思い込みから自由なのが、ママ流だ。

ママ独特の語録

 相談と回答よりも、自分の生き方にふれながら飛び出す慎太郎ママ独特の語録が面白い。

 ・恋愛も結婚も、所詮は気の迷い。気楽に楽しんで
 ・セックスはしなくても済むものだ(その一方で)
 ・セックスはクセになる
 ・「オンオフ」を分けるべからず。「仕事=遊び」です
 ・手を抜かずに「励む」がうまくいく
 ・お金は道具。足りないギリギリは神様がくれる
 ・「同じことを繰り返す」は基本。決してブレるべからず

勤労学生からニューハーフに

 本書のあちこちで、これまでの半生について書いている。北海道で農業を営む両親のもとに生まれた。自然の中で育った。ホテルや観光業界について学びたいと京都へ。ホテルマンをしながら学校へいく勤労学生だった。でも派手に遊んだという。最終の新幹線で東京に来て夜中じゅうお酒を飲んで、朝に帰るような生活。そしてニューハーフに。

 そうこうするうちに、人に頼まれてお店をやるように。だんだん人が集まるようになり、うつわ、きもの、日本文化を学ぶ。

 四谷シモンさん、コシノジュンコさんらに教えてもらい、気がつけば銀座にサロンを構えていた。苦労話や自慢ではないが、さりげなく仕事への自負、気構えも書いている。

 自らうつわのギャラリーを経営するほど、うつわや骨董にはのめり込んでいる。興味がある人はまずは東京・上野の東京国立博物館に行くことを勧める。「茶道具や仏教美術、それに尾形乾山や野々村仁清など、江戸時代の大作が当たり前のように置かれているので、とても楽しいですよ」と書いている。かなりの勉強家だ。

 評者も銀座のクラブには何かの拍子に行ったことはあるが、サロンとなると見当がつかない。「各界のトップの方々ばかり。毎日、きらびやかな美男美女が集ってくださるのですからありがたいことです。しかも、皆さん知的で前向きで、お話しをしていて面白いことこの上ない」店のようだ。やんごとない方々も出入りされているから、にわか成金は集まりにくい空気があるという。

 慎太郎ママの店のホームページをのぞいてみた。サロンの名にふさわしい端正で美的な空間がひろがっていた。「本物のお花と、本物の絵画、私が好きな調度品......」。本に書いてあることはウソではなかった。

 ママは毎日のお参りを絶対に欠かさないようにしている。外国に行けばその地の教会へ足を運ぶ。健康でいられること、ご飯が食べられることへの感謝の念が生じ、平穏無事な日々は当たり前のものじゃない、というシンプルで絶対的な事実を確認できるそうだ。

 男性だった頃やニューハーフに成りたての頃の写真も載っている。この本の出版を機にテレビに登場するかもしれない。「この世はぜんぶ気のせいよ!」というママのことだから、引き受けるだろうか?

 本を読み、著者がどんな人かとここまで興味を持ったのは久しぶりのこと。いつかサロンに行ってみたい、と思った。まずは一流にならなければ。

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