第二次大戦中、北ビルマの河をいかだで転進する最中、敵機に襲撃された部隊。死に物狂いで中州へ泳ぎ着いた兵隊が発見したのは伍長の刺殺遺体だった。自殺か他殺か? 隊員たちは次第に疑心暗鬼になってゆく。
その後、1人生き残ったという兵隊と合流し話を聞いた下士官はその嘘を見抜き、彼に銃を向ける――。
昨年ミステリーランキングを席巻した著者の待望の新作とあって、サスペンスフルな展開に、静かな興奮を禁じ得ない。特に、物語の後半、タイトルの真の意味が一気に氷解するシーンは圧巻だ。包囲下の中州で一体何が起こったのか。目をみはる真実が明かされる。しかし、本作の魅力はそれだけにとどまらない。軍隊という上意下達の組織の中で個であることは可能なのか。終戦から73年。その問いはおそらく現代にも通じている。感情揺さぶる傑作戦場ミステリーだ。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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