ある大学で「養老さんじゃないですか、もう死んだと思ってました」と話しかけられた著者。「要するにすでに死亡済み。そう思えば気楽なもの」とうそぶき、超越した視点で脳(意識)が支配する現代社会の諸相を見つめる。人口知能が台頭する時代に「コンピューターは吹けば飛ぶようなもの」と語り、平成においては「万物が煮詰まった」と述べ、人口や実態経済の限界が見えた時代の生き方を考える。そして、現代の問題は「一般論としての人生と、個々の人生の乖離(かいり)」と述べ、一般化からこぼれ落ちた個々の生へまなざしを向ける。
80歳を超えてなお人を驚かせる評論を世に出し続ける原動力はどこにあるのか。「世間と自分がズレていることだけは間違いない。ひょっとすると、そのズレが、物書きになる原動力か、と思う」(「総論」より)。本書は意識偏重の現代人と著者の「ズレ」が生んだ、知的興奮の1冊である。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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