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「ヒト―異端のサルの1億年」島泰三著

  本書はサル類が地球上に誕生して現代人に至るまで、1億年というスケールで「ヒト」の進化を解説している。
 だが、なかでも圧巻は日本人の起源に関してである。かつて瀬戸内海は干上がり、広大な草原となっていた。この地に君臨していたのは、3キロもの巨大な石器をゴリラ並みの力で握って狩猟する、ホモ・エレクトゥス(原人)だった。
 あとから日本列島にやってきたホモ・サピエンスは、この強力な先住人類を避けて、瀬戸内海ではなく、山陰の海伝いに生息地を広げていった。彼らは、裸できゃしゃな体をもち、魚獲りが得意だったからである。これが現生日本人のルーツであり、今からわずか3万年前のことだというのであるから、人類史の中ではほんの最近のことであることに驚かされる。
 サルが生まれ、ヒトが誕生し、日本人になるまでの歩みはとても興味深い。 

書名:ヒト―異端のサルの1億年
著者:島泰三発行:中公新書定価:920円+税

夕刊フジ

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