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「生から死へ、死から生へ 生き物の葬儀屋たちの物語」ベルンド・ハインリッチ著/桃木暁子訳

  死期を悟った友人から「自然葬で死にたい」という手紙をもらったことをきっかけに、生態学者である著者が、野山で死を迎えた動物たちのその後を細やかな目で記録したナチュラルヒストリーである。
 動物たちの死体は、それを栄養とする別の生き物(腐食者)たちによって、摂取・分解される。本書には、ハゲワシ、コンドル、ワタリガラスなどの鳥類と、シデムシ、ふんころがし、ハエなどの昆虫を中心に、キノコなどの菌類や細菌、さらには、かつて腐食者であった人類の祖先までもの死体あさりの様子が生き生きと描かれる。
 命あるものは必ず死ぬ。自然界ではその死体は次の命を生み育てるために使われ、生命が引き継がれていくのである。
 生活の場から切り離された病室で死を迎え、そのまま火葬で葬られる現代のわたしたちが、動物たちの死に方から学べることは大いにあるはずだ。 

書名:生から死へ、死から生へ 生き物の葬儀屋たちの物語著者:ベルンド・ハインリッチ/桃木暁子訳発行:化学同人
定価:2300円+税

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