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『「イムジン河」物語 ”封印された歌”の真実』喜多由浩著

  1968年2月、ザ・フォーク・クルセダーズのレコード『イムジン河』が朝鮮総連の抗議で突然、発売中止になった。約10年前、北朝鮮で誕生したこの歌を作者不詳の「朝鮮民謡」とクレジットしたのが理由だ。以来、政治的なトラブルにまみれた歌として、放送業界からタブー視され、30年間以上も「闇の中」へと封じ込められた。フォークルのメンバーだった、きたやまおさむ氏や日本語の詞をつけた松山猛氏、当時の朝鮮総連担当者、レコード会社の担当ディレクターらの証言をもとに事件の舞台裏が初めて明かされる。
 この歌が北朝鮮で書かれた当初、評判を呼ばずに忘れ去られ、金正日総書記ですら”北朝鮮生まれの歌”と知らなかった秘話は興味深い。2000年代初めに韓国の歌手の訪朝公演で歌われ、”とらわれの身”の日本人拉致被害者に勇気を与えたこと、今や「アジアのイマジン」と呼ばれるほど世界中で歌われる――など、歌の数奇な運命がつづられる。 

書名:「イムジン河」物語 ”封印された歌”の真実著者:喜多由浩発行:アルファベータブックス定価:1600円+税

夕刊フジ

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