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「古田織部」諏訪勝則著

  茶人と聞いてほとんどの人は千利休を真っ先に思い浮かべるだろう。わび茶を大成し、信長と秀吉に仕えた天下一の師匠だ。だが利休はやがて秀吉の怒りを買い切腹。その後釜に座ったのは誰かというと、利休のまな弟子であった古田織部なのだ。
 戦国末期から江戸初期にかけて、奇抜な芸術センスで文化全般をリードした織部は、焼き物や茶道の愛好家の間ではかねて知られていた存在だった。くわえて近年では人気漫画『へうげもの』の主人公として関心を集め、軽薄で俗っぽい人物というイメージを持たれているようだが、織部の実像を描いた著作はあまりない。
 そもそも武将としての活躍の実態とは?徳川が豊臣を滅ぼした大阪の陣に際して、織部が切腹させられたのはなぜか?本書は、現存する限られた史料から織部にまつわる謎に迫った評伝で、戦国を生きた第一級文化人の悲劇的宿命を描いた野心作でもある。

書名:古田織部
著者:諏訪勝則
発行:中公新書
定価:820円+税

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