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「背信 銀行・弁護士の黒い画策」林原靖著

  世界的に有名なバイオ企業「林原」が破産してはや5年、いまにして思えばつぶれる必要のない優良企業が、銀行と弁護士の黒いタッグのもと、解体されてしまったと著者は嘆く。
 著者は同企業グループを経営していたオーナー一族の四男。だが、これは引かれ者の小唄ではない。同社の倒産整理での93%という異常な高さの弁済率が、倒産に仕組まれた黒いワナの存在を雄弁に物語っている。
 バイオは極めて地味な努力を重ねる分野だという。社員の一人一人が出張や旅行した折に、各地の土壌サンプルを採取してくるという地道な努力を130年間続けてきた微生物や酵素の工業利用という、ノーベル賞の大村智氏のような歩みが、銀行と弁護士によって灰燼(かいじん)に帰した。その企業姿勢には自信を持ち、誇りは社員と共有できるという。前作「破綻」とはそこが違う、確信に満ちた倒産の真相である。

書名:背信 銀行・弁護士の黒い画策
著者:林原靖
発行:WAC
定価:1500円+税

夕刊フジ

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