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「米中経済戦争 AIIB対TPP」西村豪太著

  昨年末に設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐっては、中国色の強さや運営の不透明さも指摘され、日本の参加の是非も議論となった。最近もAIIBが発行する債券が「無格付け」となる可能性が話題となっている。
 著者はAIIBの背景にある「一帯一路」にこそ注目すべきだと主張する。ユーラシアを陸と海から横断する現在のシルクロードとして交通インフラや経済圏を作る構想で、過剰投資の末に過剰債務に陥った中国国内の経済の行き詰まりを外に転化する狙いもあると指摘する。
 人民元の国際化や英国の取り込みなど着々と「西進」を進める中国に対し、日米が基本合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の真の狙いも浮かび上がる。
 著者は中国に留学経験もある気鋭のジャーナリスト。綿密な取材を背景に、日本が進むべき道も現実的に分析しており、良くも悪くも中国が気になる人こそ読むべき1冊だ。

書名:米中経済戦争 AIIB対TPP
著者:西村豪太
発行:東洋経済新報社
定価:1500円+税

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