本を知る。本で知る。

「不死身の花」生島マリカ著

  著者は、1971年、神戸生まれの在日2世。複雑な家庭環境の両親を持ち、異母異父姉兄9人。本書はそんな彼女の初の自伝である。
 父の再婚相手とうまく合わず、13歳で家を出され、ストリート・チルドレンとなる。この描写が圧巻。深夜、団地やマンションをさまよい、玄関先に置かれた出前の食器の中の残飯をあさる。寝るのは建設中のビル工事現場。
 その後、大阪・北新地や、東京・銀座でホステス(どちらも10代で!)。モデルとなって荒木経惟氏の写真集にも登場。名前を知れば仰天する、その筋の世界の大物、財界のリーダー、スポーツ界のヒーロー…さまざまな人たちに助けられながら、3度の結婚・離婚、出産、レイプ、さらには2度のがんを乗り越えていく。
 まさに「死ぬこと以外のすべて」に襲われながら、それでも生き抜こうとする。読みだしたら止まらない、凄絶(せいぜつ)人生が展開する。

書名:不死身の花
著者:生島マリカ
発行:新潮社
定価:1600円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

記事一覧 公式サイト

夕刊フジの書評からの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?