本を知る。本で知る。

「セウォル号の『真実』」 郭 東起 著

  先日、船長に懲役判決が出され、あたかも"収束"したかのような<セウォル号沈没事件>。しかし、それで事件が解決したとは到底言い難い。
 船舶会社はもちろん、救助にあたった海上警察、指示を出した政府、そのいずれにも事故の責任はあり、かつそれらが不幸な形で複合したことによって、この"惨事"は引き起こされたといえる。本書は、韓国科学技術研究国立大学・博士が事故当初からの疑問や疑惑を検証、問題提起したものである。
 普通では絶対に起こらないであろう90度以上の回頭、海上警察総力を挙げての救出作戦といいながら報告書と実際に海上にいた船舶のあまりにも違う数、事故報告がどのようになされ朴槿恵(パク・クネ)大統領がいつそれを知り、どのような指示を出したのか。あまりにも明らかにされていないことが多すぎる。政官民の癒着構造も浮かんでおり、決して対岸の火事ではない。

書名:セウォル号の「真実」
著者:郭東起
発行:竹書房
定価:1200円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

記事一覧 公式サイト

夕刊フジの書評からの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?