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「中国人国家ニッポンの誕生」 西尾 幹二責任編集

  「移民栄えて国滅ぶ」の副題通り、無原則に外国人が増えている日本社会の現状を危惧し、警鐘を鳴らす。安易な移民論の広がりや外国人労働者受け入れ緩和を厳しく戒める。
 著者は、7月に開催された月刊「正論」主催のトークライブ「日本を移民国家にしてよいのか」でパネリストを務めた6人の論客だ。それぞれの専門分野から移民国家がたどる"悲惨な末路"を浮き彫りにしているが、これほど多面的に取り上げたものは貴重で、移民問題の入門書ともいえよう。
 同書の最大の特徴は世界各国における中国人移民の実態を明らかにするなど、移民問題の本質が「中国人問題」にあることを喝破している点だ。緻密な取材や統計データに基づいた検証は、決して偏狭なナショナリズムや中国人全体への否定に陥ることなく説得力をもって読者に訴えかける。労働者不足対策のつもりが「中国人国家」になっていたとならぬよう、ぜひ読んでおきたい。

書名:中国人国家ニッポンの誕生
著者:西尾幹二責任編集
発行:ビジネス社
定価:1200円+税

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