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「とりあえず玄関」を毎日の習慣にしませんか?

玄関から始める片づいた暮らし

 コロナ禍では、以前のように人を家に呼ぶこともなくなった。ずいぶん緊張感のない空間になったなと思いつつ、たいして大掃除もしないまま年を越してしまった......。

 「『とりあえず玄関だけ』スッキリさせてみませんか?」。広沢かつみさんの著書『図と写真でわかる 玄関から始める片づいた暮らし』(青春出版社)は、「ずぼらさん・片づけが苦手な人」に片づけの「最初の一歩」を徹底解説した一冊。

 「玄関は、どの家庭でも比較的狭く、置くモノも決まっているため、片づけが苦手な人でも取り組みやすい場所なのです!」

 「片づけというのは、掃除、洗濯、ご飯支度などと並んで毎日のことです。年末とか大型連休とかにするイベントごとではありません」

 本書は、「とりあえず玄関」と片づけのハードルを低く設定するとともに、「片づけ=年末の大仕事」という固定観念を一掃する。

「泥棒が入ったのか!?」

 広沢かつみさんは、5S研修や収納コーディネートなどをおこなうコレモッタ株式会社代表取締役。アジア圏で整理収納や食品ロスなどの資格講座を開催する一般社団法人日本専門家検定協会代表理事。

 リフォーム雑誌の編集長時代、新しい住まいでも散らかった家庭を目の当たりに。そこで「片づいていること」の大切さを痛感し、独立。雑誌・新聞の執筆連載、片づけ相談など、これまでに受けた片づけ・収納の相談は2000件以上。講演会・セミナー講師、札幌市のゴミ減量に関するリーフレット監修も務める。

 そんな広沢さんにも人生で二度、「泥棒が入ったのか!?」と見まがうほどひどい状態の部屋で暮らしていた時期があるという。

 一度目は、仕事になじめず悩んでいた頃。「今思えば、少しうつ状態だったのだと思います」と振り返る。二度目は、朝から夜遅くまでバリバリ働き、子育てをしていた頃。ある日、子どもの写真をアルバムに貼っていたとき、背景に写る部屋がものすごく散らかっていることに気づいて愕然としたという。

 そこから、広沢さんの「片づけ人生の第1歩」は始まった。

 「『片づけ』『ダイエット』『語学学習』は、永遠のテーマです。どれも、持続しないと結果が出ないことだから。(中略)だから、『自分に合った』『簡単で』『苦にならない』そして『続く』やり方を探し求め、あれこれ試してみることになるのです」

きれいの3大エリア

 本書は以下の4つのPartで構成されている。「『残す』or『残さない』のマイルール」「移動するモノ&行先リスト」など、わが家のルールづくりに役立つ「WORK」付き。

 「Part1 まずは玄関からやってみよう――家の中に1か所、きれいなスペースが生まれるだけで効果絶大!」では、玄関をとおして片づけの基本「モノを把握する」「仕分けする」「残す・残さないの基準を決める」「移動するモノの行き先を用意する」を学ぶ。

 「Part2 しまう場所としまい方――実例でわかる! 玄関・キッチン・リビング、3大エリアの工夫」では、広沢さんの自宅の収納方法・アイデアを写真付きで紹介。

 「Part3 いざ、片づけスタート――ずぼらさんでもリビングやキッチンがみるみる変化!」では、「散らかりグセ」を見直し、「リバウンドしないコツ」を実践する。

 「Part4 片づけを習慣にする――いつまでもスッキリ&きれいな住まいを保つためのヒント」では、「忙しい人ほど片づけを『シンプル化』している」「住まいが美しい人は、内面や外見も品がいい」など、メンタルにまで踏み込んで解説。

 「私は玄関、リビング、キッチンを『きれいの3大エリア』と呼んでいます。『家族が片づいたと実感できる』『人を招きたくなる』部屋だからです。この3か所がきれいだとお客様を呼べる、居心地のよい住まいになっていきます」

 玄関ならまだしも、キッチンやリビングはモノが多くて途方に暮れる......。しかし、こういうところの片づけこそ、毎日の習慣にしてしまえばいいのだ。

玄関から始める理由

 そもそも、なぜ玄関から始めるといいのか? 

 玄関は、スペースの広さ・モノの量からして片づけやすい。玄関がきれいになると、その先にあるホール、リビング、キッチン、寝室も気になってくる。自然と次の場所に手をつけたくなる、この「片づけスパイラル」を感じられるのだという。

 「小さなところから、できるところから、無理なく始める。すると、不思議とどんどん家じゅうがスッキリしてくる。この『片づけスパイラル』効果にスイッチを入れるのが、『玄関から始める片づけ』の習慣なのです」

 「環境と精神的なものはつながっている」と広沢さんは考える。人間関係や仕事がうまくいかないときなど、現状を変えたいと思ったら、三和土の掃き掃除と、玄関全体に余計なモノが出ていないかのチェックをまずは2週間、毎日おこなうことをすすめている。

 Part2で紹介されている広沢さん宅の玄関収納は、やはり「スッキリ重視」。たとえば、届いた荷物はすぐに部屋の入り口へ移動。早々に開封し、箱も潰してしまう。靴箱は、靴をたくさん詰め込むと臭うため、隙間を空けて収納。きれいに並んだ靴を崩さないようにと、無駄に増やさなくなったという。

もしアイスクリームだったら?

 Part3にある「つい置きっぱなしにしてしまう心理とは?」では、置きっぱなし・出しっぱなしを防ぐこんなアイデアを紹介している。

 たとえば、12個の箱が入る棚があった場合、16個の箱を持っていたら4箱あふれる。それを容量オーバーに感じず、床やその辺の隙間に置いてしまう。これが「散らかるスパイラル」の始まり。しかし、もしそれがアイスクリームの箱だったら? その辺に置きっぱなしにするわけにはいかない。

 「アイスクリームに限らず、片づけの原則は『出しっぱなし禁止』。すぐに収納場所を決めて収めます。入らないなら処分するか、ほかのモノを整理するか決めます」

 床やテーブルの定位置にモノが置きっぱなし・出しっぱなしになっている場合、いつしかそれも景色の一部となり、気にならなくなってくる。それをよけて掃除機がけなどをしているうちに、数か月経過していることも......。

 「一番怖いのは、モノがある状態に慣れてしまうことです」
 「モノだらけの部屋に違和感を持つ。それが片づけの第一歩」

 最後に一つ。「人生は決断の連続」であり、「人生の大きな決断に集中できるよう、日頃の決断に対する労力は少なくするべきです」。だからこそ、広沢さんは「整理をしましょう」と伝えているのだという。

 「どうか、まずは、必要なモノだけを選べる自分の軸を身につけてください。たとえモノがなくても心が満足していれば幸せだ。そう思える自分になれたら最強です」

 本書を読んで周囲を見渡してみると、なぜこれを買った? と自分でも疑問に思うモノがあれもこれも......。モノがなくても幸せという境地には当分たどり着けそうもないが、いつでも人を呼べる家をめざして「とりあえず玄関」から始めたい。

 本書は、2014年刊行の『玄関から始める片づいた暮らし』(青春文庫)を大幅に加筆・修正の上、カラーページを追加し、再編集したもの。



 


  • 書名 玄関から始める片づいた暮らし
  • サブタイトル図と写真でわかる
  • 監修・編集・著者名広沢 かつみ 著
  • 出版社名青春出版社
  • 出版年月日2020年12月30日
  • 定価本体1360円+税
  • 判型・ページ数A5判・128ページ
  • ISBN9784413113434

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