読むべき本、見逃していない?

国民年金に入っていない? 将来大損しますよ!

  • 書名 2000万円不足時代の年金を増やす術50
  • サブタイトル誰でも知識ゼロでトクする方法
  • 監修・編集・著者名佐藤正明 著
  • 出版社名ダイヤモンド社
  • 出版年月日2019年10月31日
  • 定価本体1200円+税
  • 判型・ページ数A5判・176ページ
  • ISBN9784478108888

 公的年金についての基礎的な話を分かりやすく書いている。『2000万円不足時代の年金を増やす術50――誰でも知識ゼロでトクする方法』(ダイヤモンド社)。「いちばんかんたん!」「むずかしい制度や仕組みの話はなし!」というキャッチコピーがついている。慌てて投資とかを始める前に、まず自分の年金知識を固めておきたい人向けだ。

公的年金には税金が投入されている

 公的年金や老後不安については近年、いくつもの芳しくない話が報じられている。日本の公的年金制度が破綻するのではないか、あるいは「老後は夫婦で約2000万円が不足する」、さらには年金記録の入力ミスなどをめぐるトラブルだ。

 本書は「破綻」については否定的だ。その可能性は「ほぼゼロ」。理由として「財源には、税金も投入されている」から。

 破綻しなくても、もらえる金額がどんどん目減りするのではないかという心配もある。それについては「仮に20年後、年金の価値が2割下がっていたとしても、食費と光熱費をまかなえるくらいの金額は生涯もらえる」。すなわち老後生活の基盤になるということを強調する。

 個人年金保険は支給期間が有期(主に10~20年)なのに対し、公的年金は終身支給。両者を比較すると、公的年金の圧勝だという。

 しかしながら「公的」だから安心とは言い切れない面もある。それが一連の記録ミスで露呈された。とりわけ2007年に発覚した「宙に浮いた年金」は大問題になった。18年にも大量の入力ミスで、受給者に影響が出た。したがって本書は、「公的」ということで、役所からの連絡をぼんやり待っていたり、役所から届いた資料を放置していたりしないように警告する。国民の側が自ら積極的に自分の公的年金をチェックする大切さを繰り返す。

呼び名が変わるのでややこしい

 公的年金は、仕組みが定まっている。したがって自分だけ得することはできない、と思っている人が多いのではないか。本書を読んで驚いたのは、様々なやり方で、いろいろ得する方法があるということ。もちろん条件があるが、適合する人の場合、例えば月額400円の付加年金に加入すれば年金が2万4千円も増える。あるいは国民年金の払い方によっても得することがある。「2年前納・口座振替」だと、なんと2年間で1万5760円も割引になる。このほか実に多くの、ちょっとしたコツや手続きが掲載されている。知っていると、損しないことだらけだ。会社員、自営業、パート、専業主婦それぞれに対応した「今からできること」を紹介している。

 一般に公的年金制度はややこしいと考えられている。著者はその理由の一つに、「納付時」と「受給時」で呼び方が変わることを挙げる。国民年金は、受給時には「老齢基礎年金」に変わる。厚生年金は65歳までもらう「特別支給の老齢厚生年金」と、65歳以降にもらう「老齢厚生年金+老齢基礎年金」に。さらに加入者の死亡や障害によっても名前が変わる。自分が関係しているのはどの年金なのか、まず名前を確実に覚えていないと、理解が進まない。

受給資格期間に満たないときの裏ワザがある

 本書でもう一つ、頭に残ったのは、公的年金というのは中高年の人たちに関する話ではないということ。非常に長期にわたって払い込むことになるので、若いときからきちんと準備しておく必要がある。

 将来の年金不安、現在の生活苦などで、若い世代の年金支払い率が悪化しているというようなニュースを聞くことがある。これは非常に危険だ。払っていないと、20代、30代のフリーターなどは将来、大損する。まず本書などを読んで、直ちに行動を起こすべきだろう。手持ち金がなく、すぐに納付できないなら、未納のままにせずに「免除申請」が必須だ。

 会社員の場合は厚生年金だから、会社の厚生部が処理してくれる。ただし、転職することもある。次の仕事が見つかるまでの間も、空白を置かないように諸手続きをするようにしたい。本書には中高年になって、受給資格期間が足りないことに気づいた場合の「裏ワザ」なども記されている。パートなどの「103万円」「106万円」「130万円」「150万円」の壁などについても詳しく紹介されている。

 若いうちから年金のことを考えるのは切ない。しかしながら、いつの間にか給料がどんどん上がる高度成長はもはや望めない。早くから、将来の生活を守る知恵を身につけておかないといけない時代になっている。年金については、中学や高校の授業でも教えてほしいと思った。

 著者の佐藤正明さんは社会保険労務士、税理士、CFPとマネー関係のトータルな資格を持つ。

 

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