食材は冷蔵庫にあるのに晩ごはんを作るのが面倒で、ついコンビニの惣菜に手を伸ばしたり、晩ごはんが出来るのを待つ間、空腹に耐えきれず間食したりする人はいませんか。 そんな人にぴったりの料理本が、本書『『朝仕込み』だから、帰ってすぐできる! おいしいレシピのひみつ』(朝日新聞出版)だ。
料理家の堤人美さんが注目したのが「朝時間」だ。晩ごはんのおかずをあらかじめ決めておいて、朝起きたら、夜の仕込みをする。帰ったら、仕込んだ食材や調味料でパパッと仕上げる。そんな、自分や家族のための「朝仕込み習慣」を始めてみませんか、と提唱する。
「朝仕込み」のルールは4つ。
1 野菜を切る 切っても色が変わらない野菜は朝切っておく。 2 肉や野菜に下味をつける 夜調理するころには、しっかりと味が染みておいしくなる。 3 材料はそれぞれポリ袋に入れる 下味をつける肉や魚は切ってからポリ袋に入れ、調味料を加えてもみ込むと手が汚れない。 4 調味料、材料はすべてバットにまとめて冷蔵庫へ ひとまとめにしておくと調理がスムーズ。
パート1には、朝仕込み、夜仕上げの50種類以上のレシピが紹介されている。見開きで、片方のページに食材がバットの上に載っているので、一目でわかる。これまでの料理本にはない「発明」だ。
例えば、「薄切り大根と豚バラのしみじみ煮込み」は、5センチに切った小松菜、スライサーで薄切りにした大根、2センチ角に切った厚揚げ、6センチに切った豚バラ薄切り肉がそれぞれポリ袋に入っている。このビジュアルが親切だ。何がどれくらい、どう仕込みをしておけばいいのか、直感的に理解できるからだ。朝5分、夜7分と調理時間も表示されている。仕事で疲れて帰ってきても、10分程度ですぐできるのはありがたい。だいたい肉や魚と野菜1、2品の組み合わせなので、簡単にできるのがいい。
パート2には、「帰ってきてすぐできる晩ごはんのおかず」23種類が紹介されている。たことセロリのお浸しサラダ、トマトとしょうが、ハムのお浸しサラダなど手軽に作れそうだ。
単身生活中の評者もこの欄で紹介したレシピ本で料理をすることはあったが、時間のある休日がほとんどだった。仕事のある日は外食かコンビニ頼りになってしまう。本書の「朝仕込み」という発想は新鮮だし、実用的だ。朝の時点でレシピが決まるし、半分は完成したも同然だからだ。
材料は下ごしらえしてそろっているから、共働きの夫婦なら、先に帰った方が作るのもいいだろう。
著者の堤人美さんは、書籍や雑誌でレシピを提案するほか、企業のレシピ開発も手掛けている。『肉炒め 毎日頑張っているあなたへ。とにかく簡単に作れるレシピです。』(グラフィック社)、『NHK きょうの料理 お届け冷凍レシピ ひとりぶん』(NHK出版)など著書多数。
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