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和・洋・中華・エスニック、焼きそば53種類の作り方

鉄板!BBQ焼きそば

 夏休みはキャンプの季節。野外でバーベキューをする人も多いだろう。鉄板で肉や野菜を焼き、残った食材で焼きそばを作るというのが定番だ。でもいつも同じ味だと飽きてしまう。そんな時にヒントになるのが本書『鉄板!BBQ焼きそば』(ヨシモトブックス 発行、ワニブックス 発売)だ。なお「鉄板」とは、「間違いない」という意味での鉄板だから、フライパンやホットプレートを使っても構わない。

お笑い芸人からアウトドアタレントに

 著者のたけだバーベキューさんは、1986年兵庫県生まれ。お笑い芸人を経て、2012年から「たけだバーベキュー」として活動するアウトドアタレント。『すごいバーベキューのはじめかた』(ヨシモトブックス)、『最強!肉レシピ』(池田書店)などの著書もあるから、アウトドア料理の腕前は信用してもいいだろう。

 たけださんも最初はソース焼きそばばかりだったが、「次は塩味に」「その次は焼肉のタレでアレンジしてみよう」と試行錯誤を重ねたという。余った焼きそばを家に持ち帰ることも多く、「パスタ風にしたらどうだろう」「冷やしてみてもいいのでは」と、さらにアレンジの幅が広がった。こうして出来上がった53の焼きそばとアイデア満載の鉄板料理15種、余りがちな粉末ソースを活用したレシピ8種が登場している。

 いま中年キャンパーが増えているそうだ。評者も今年のゴールデンウィークに友人たちと十数年ぶりにキャンプを再開したばかり。この夏実際に作ってみようと思ったいくつかのレシピを紹介しよう。

 まずは「コクうまバター焼きそば」。豚バラ肉、玉ネギ、ニンジン、キャベツを使うのは定番通りだが、味付けに粉末ソースを使わない。焼肉のタレ(甘口)大さじ4とバター20グラム(2人分)を使うのがポイントだ。甘口のタレに入っているフルーツの甘みが焼きそばと相性抜群でバターがコクを出すそうだ。

 いま流行のサバ缶を使った「サバ缶とトマトの焼きそば」も簡単で美味しそうだ。サバ缶の中身を汁ごと広げ、角切りしたトマト(2分の1個)を加えて全体を炒める。麺を入れてほぐし、しょうゆ大さじ1、ケチャップ大さじ1(1人分)の合わせ調味料を加えて炒める。缶詰を使ったものには「ツナ缶塩昆布焼きそば」「梅香るオイルサーディン焼きそば」「蒲焼き缶の山椒焼きそば」もある。名前から食材もわかるだろう。

 こうしてみると、粉末ソースがどうしても余ってしまう。活用法として「だしいらずの卵焼き」「うまみマシマシスペアリブ」などを紹介している。前者は卵4個に粉末ソース1袋が目安だ。

麺を両面焼くのがポイント

 ところで本書では基本のソース焼きそばの作り方も紹介している。肉を入れ、塩・こしょうを振り、コテでかき混ぜながら炒める。さらに玉ネギ、ニンジン、キャベツを加えて炒める。鉄板のスペースを半分空けて、麺を入れて両面を焼くのがポイントだ。その後、水を加え、コテでかき混ぜてほぐす。焼きそば1玉に対して水大さじ3が目安。麺と具材をかき混ぜてさらに炒める。最後に中濃ソース大さじ4を回しかけ、しょうゆ小さじ1、砂糖大さじ2を入れてかき混ぜる。青のり、紅しょうがをかけると完成。具材と麺を別々に焼くのがコツだ。

 家庭で作るときは、電子レンジで麺をほぐすのも小ワザだ。麺1玉に小さじ2の酒を振りかけて30秒ほど温めると麺がふっくらする効果がある。

 出来上がりが水っぽくなるのは、火力の不足か水のかけすぎが原因だという。麺にしっかり火を通すのがなにより大事だ。ちなみに人数×0.6が用意する麺の玉の数だという。10人なら6玉だ。

 焼きそばの麺は3玉入りで100円程度と安い。また和・洋・中華・エスニックとどんな味付けにも合う。キャンプに限らず、冷蔵庫に常備しておけばいつでも主食が完成する心強い食材だと認識を改めた。

 本欄では『バーベキューの歴史』(原書房)を紹介しているが、本場アメリカのバーベキューは、あまりに我々が考えているものとは違う。日本のバーベキューは日本独自の料理と思った方がいいようだ。   

  • 書名 鉄板!BBQ焼きそば
  • 監修・編集・著者名たけだバーベキュー 著
  • 出版社名ヨシモトブックス 発行、ワニブックス 発売
  • 出版年月日2019年8月 7日
  • 定価本体1200円+税
  • 判型・ページ数四六判・127ページ
  • ISBN9784847098215
 

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