本書『SNSをポジティヴに楽しむための30の習慣』(ヨシモトブックス発行、ワニブックス発売)の著者は、お笑いNON STYLEの井上裕介さん。独特の髪型、風貌と超ポジティヴな姿勢で売れている。
時にディスられることもある井上さんは「SNS芸人」と呼ばれることもあるが、それはうれしい反面、とまどいもあるという。純粋に自分という素材を楽しんでもらおうと、写真は一切加工していないし、投稿にかける時間もわずかだという。
本書では30の習慣を紹介しているが、その元になる5つのポリシーがあるそうだ。
1 臆病にならない 2 時間をかけない 3 飾りすぎない 4 はしゃがない 5 振り回されない
本書はSNSでフォロワーを増やすためのハウツーは書いていない。SNSを利用するための心がまえを書いている。誹謗中傷のメッセージに対しても、自分なりの考えを添えてコメント付きでリツイートしたのが、「ポジティヴ返し」とネーミングされて話題になったという。そこから本が2冊生まれ、日めくりも2冊出て、累計20万部のヒットとなった。
5つのルールをそれぞれ展開して30の習慣になっている。その中で、なるほどと思ったのが「SNS疲れからの脱却に必要なのは『スルーする勇気』」ということばだ。SNSを「真剣にやらないこと」を心がけているという。あくまでも自分の人生を彩る遊びの一部と考えれば、悪口がきてもへこまないというアドバイスは役にたつかもしれない。
実際に井上さんが書いた投稿も各章に載っている。こんな調子だ。
「SNSでのストレスはSNSで吐き出すしかない。そんな時、全て僕にぶつければいい!! 俺は、SNSでどんな罵詈雑言を浴びされようがストレスを感じることはない。僕への悪口でみんなのストレスが減ってハッピーになるならウィンウィンよね。但し、君のストレスが僕である場合は申し訳ない」 「ブサイクランキング、ダサい男ランキング、大金を積まれても結婚したくない男ランキング、顔を洗って出直して欲しいランキング、M-1グランプリ、全て1位さ」
ハウツー本ではないと書いているが、「フラットなタグ付けは、新しい出会いへの片道切符だ」など、有益なアドバイスが多い。
30番目の習慣は「心に『しょせんSNS』と刻む」というものだ。SNSはしょせんネット上のサービスに過ぎない。実人生のよろこびにまさるものはない、と結んでいる。これくらいの割り切りがあるからこそ、SNSでの評判に一喜一憂しないのだろう。SNSで悩んでいる人に読んでもらいたい一冊だ。
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