ゴールデンウィークまであと2週間を切った。今年(2019年)は空前の10連休という人も多いだろう。すでに航空券や新幹線の指定券は売り切れ、ホテルは予約が取れないケースもあるようだ。車も下りは3日、上りは4日、5日が大渋滞という予報も出ている。さあ、どうしようと思って、評者が思い出したのは本書『車中泊の作法』(ソフトバンククリエイティブ)だ。2011年の発行だが、基本的なことは今でも通用する。どうしたら、快適に車中泊ができるのか、ポイントをおさらいしてみた。
著者の稲垣朝則さんは、年間約100日を車中泊などのオートキャンプに費やし、走行距離は4万キロという車旅のナビゲーター。『ミニバン車中泊バイブル』、『全国車中泊コースガイド』(東日本編、西日本編)などの著書がある。
最近、道の駅などで車中泊をしている遠隔地のナンバーの車をよく見かける。道の駅もサービスエリアも休憩施設であって、車中泊のための施設ではない。エンジンをかけたまま駐車する、煮炊きをするなどマナー違反が目立ち、車中泊を禁止するようになった施設も少なくないという。出かける前に予定している施設で車中泊が可能かどうかチェックした方がいいようだ。
車選びにかんしては、トヨタのハイエースが最も楽に車中泊ができると勧めている。しかし、今から車を買い替える訳にはいかない。本書の写真が参考になる。できるだけシートをフルフラットに近い形にして、くぼみをクッションなどで埋め、銀マットを貼ったコンパネを上に置く。最後にウレタンマットを載せればベッドは完成する。
電気も必要だ。車の12ボルトを100ボルトに変換するインバーターがあれば、電子レンジも使える。ネットで調べると手ごろな値段で候補が見つかった。
お湯はサービスエリアに行けば、無料で手に入ることも多い。必要なのは保温に優れた水筒だという。著者はサーモスの山行き専用の水筒を推薦している。79度以上を6時間もキープできる。
車内の照明には電池式のLEDランタンが便利だ。防犯対策としてカーテンや遮光パッドもあった方がいい。
評者の知人で定年退職後、ミニバンを改造し車中泊を続けて全国を回った人がいる。天体観測、アマチュア無線と趣味を楽しみながら旅は数年に及んだ。その過程をブログにアップしていたので家族も大目に見てくれたと聞いている。
このようにシニア世代には若い世代のオートキャンプとは違う車中泊が広まっているようだ。著者は、一部の人のマナー違反によって、車中泊ができる施設が減っていると警告している。8年前の本なので、さらに禁止箇所は増えているだろう。場所によっては有料駐車場の活用も便利、と京都の穴場的駐車場も紹介しているが、ここで公開するのは控えよう。
渋滞に巻き込まれ無駄な時間を費やすならば、1日日程は増えるものの空いている早朝に移動しやすい車中泊を検討するのも、このゴールデンウィークにはいいかもしれない。 本欄では車中泊をしながら2年間も全国を移動しているお坊さんが書いた『くるま暮らし。』(飛鳥新社)も紹介している。
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