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山里亮太の妄想が出版されてしまった。16人の女優・アイドルの気になるストーリー・・・

あのコの夢を見たんです。

 好きな異性のことをあれこれと考えてしまうことは、青春時代に誰でもある経験ではないだろうか。あれこれ考えたり思ったりしたことを、淡い思い出として心の中にしまっている方も多いかもしれない。しかし、心にしまうどころか出版してしまった人もいる。

 山里亮太(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)さんは、心の中で抱いた異性への妄想を綴り2010年から月刊誌「B.L.T」に発表していた。本作『あのコの夢を見たんです。』(東京ニュース通信社)は、数々の妄想の中から16作をピックアップして収録したものだ。

 出版に先立ち、評者は山里さんに取材する機会があった。山里さんは、執筆にあたって、妄想の中なら何でもできる、どこにでも行けると妄想の創作性を熱く語っていた。
 印象に残ったポイントをいくつか紹介したい。

 山里さんは、今回収録したストーリーの対象になった女優やアイドルご本人に、あらかじめ収録の許可を確認したそうだ。そうしたところ、全員から収録OKの許諾があっただけでなく、丁寧な"お返事"をいただいたとのこと。きっかけは妄想だが、リアルに「ラブレターの返事をもらったみたい」と笑みを浮かべた。

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『あのコの夢を見たんです。』の表紙画像

 表紙については「山里が執筆した感じはゼロにしてほしい」というオーダーで作られたそうで、たしかに、見た目では山里さんのキャラクターはたっていない。「(書店で)面白そうと思って買っていただき、家でよく見たら作者が山里だった」という展開が理想的だという。

 本作には、荒井萌(現・あらい美生)、 飯豊まりえ、大友花恋、桜井日奈子、菅井友香(欅坂46) 、土屋太鳳、中条あやみ、波瑠、平手友梨奈(欅坂46)、広瀬すず、松岡茉優、八木莉可子、優希美青、吉岡里帆、芳根京子、渡辺麻友(敬称略/五十音順)という人気女優・アイドルがモデルとして登場する。

 山里さんは、妄想は勝手なもので、都合のいいところだけ考えがちですが、芸人としての職業病なのか「どの妄想もオチがあります」という。妄想の中で女性になりきった山里さんがどんな言葉を使って、どんなオチを見せるのか、本作でじっくり味わってみてはいかがだろうか(ぜひ、感想はBOOKウォッチ編集部のツイッターへDMでお寄せください・・・)。

 なお、山里さん自身が名誉編集長を務めるJ-CASTニュースでは、「ネットニュースの明日」も好評連載中。
 また、本欄では、コミュニケーションの達人として芸人から学ぶ本として、『NHK 芸人先生』(宝島社)や、お笑い芸人「夫婦のじかん」の大貫さんによる作品『母ハハハ!』(株式会社パルコ エンタテインメント事業部)も紹介している。


  • 書名 あのコの夢を見たんです。
  • サブタイトル短編妄想小説集
  • 監修・編集・著者名山里亮太 著
  • 出版社名東京ニュース通信社
  • 出版年月日2019年4月12日
  • 定価本体1,500円+税
  • 判型・ページ数四六判・326ページ
  • ISBN9784863369085

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