グラビアシーンのトップとして君臨する壇蜜さんの「ラストヌード」と銘打った写真集が2冊同時に29日(2019年3月)発売される。本書『モナリザ-雫-』と『モナリザ-結晶-』(いずれも講談社)。凍てつく真冬の雪原から、汗ばむ真夏の海岸まで、約1年をかけて撮影された大ボリューム全128ページの2冊同時発売という事態に、ファンは驚愕している。
最近は女優、作家としての活躍が目立つ壇蜜さん。これが最後のグラビアかと思うと長年ファンを自認してきた評者も一抹の淋しさを覚える。29歳という遅咲きのデビューながら、瞬く間にトップに躍り出た。美しさとともにどこか儚さをたたえた映像に多くのファンが生まれた。
本書『-雫-』では真夏の大自然での開放的なヌードショットをメインに構成。姉妹篇の『-結晶-』では、凍てつく雪景のなかの幻想的なヌードショットをメインに構成している。
「週刊新潮」に連載コラムを持ち、文藝春秋からも日記をもとにした本を出している。知的で端正な文章には定評がある。新潮社と文春を手玉にとる凄腕だ。「秋田県出身」と名乗っているが、秋田県出身の両親のもと、秋田で生まれただけで、実際に育ったのは埼玉県。エッセイの中でも「エセ秋田人」と卑下しているが、数年前まで秋田で何年か暮らしたことのある評者は、さしてギャラも出ないような秋田のイベントにも積極的に顔を出した彼女の姿を何度も現認している。人口減少率日本一の秋田をなんとか応援しようという姿勢には、こころを打たれた。
『-結晶-』の撮影地はわからないが、雪原をバックにした彼女は、さながら雪女だ。雪女は正体を見たな、と言い残して姿を消す。38歳になった壇蜜さんもその官能美を封印してどこかに行くのだろうか? そんな想像すらしてしまう記念碑的な写真集だ。
本欄では壇蜜さんの『噂は噂 壇蜜日記4』(文藝春秋)も紹介済みだ。
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