タレントの壇蜜さんが週刊新潮に連載中のエッセー「だんだん蜜味」を愛読している。131回目の先週号(2018年1月24日号)では、食品添加物や合成着色料をあまり気にしないことを書き、健康志向の風潮を皮肉っていた。そんな彼女が、新潮社のライバル、文藝春秋の企画で毎日、日記を書き続けていることを初めて知った。2016年7月から2017年10月までの分をまとめたのが本書『噂は噂』であり、これが第4弾だという。
日付、天気、と日常のあれこれ、思いを綴っている。1行しかない日もあるが、毎日書き続けている。少し引用してみよう。
2016/8/13 晴れ 原稿は元寇のように奇襲が好きだ。いつも予期せぬときに予期せぬ量で攻めてくる。それが幸と思えるかどうかは、まだ分からない。
2016/9/17 晴れ 意地汚い、すぐ股を開く、知的ぶっているバカ......言われているうちに、どんどん好きになっていく言葉たち。
2016/10/26 秋田寒い 今日から秋田へ。秋田での仕事があるのはありがたいことだが、やはり「エセ秋田人」として申し訳ないという気持ちで「お手伝い」していることを忘れてはいけない。縁はあっても「そこで社会に属し生きていた」という出身地を名乗る上で重要なチェックポイントをクリアしていないのだから。
男性についての記述もない訳ではないが、なにかベールに包まれたような感じがする。よく言えば上品。そして警句のような表現で切り返してくる。
週刊文春(2018年1月24日号)の著者インタビューで壇蜜さんは「テレビのように前に出るお仕事と書き物のお仕事の割合は二対一くらいになりました。いつも思っていることがあるんです。この状態はいつまで維持できるんだろう、って」
昭和女子大卒業後、和菓子屋で修業したり、葬祭場で働いたりした後、グラビアモデルとしてデビュー、女優としてもキャリアを重ねてきた。日記の中で、さる出版社のしかるべき編集者がついて小説を執筆中であることを明かしている。作家デビューも案外近いかもしれない。知的でありながら官能的なエロスを感じさせる。そんなキャラクターが登場する小説を読みたいものだ。
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