「『飲む・打つ・買う・殴る』の四拍子そろったマザコン夫」「ダブル不倫の末、相手の子を出産。ところが、突然音信不通に」「『お前は異常だ』『バカだ』17年間繰り返されてきた夫の暴言」......ドラマの話かと思ったら、これらは国内最大級の経済メディア「東洋経済オンライン」の連載「ミセス・パンプキンの人生相談室」に寄せられた相談のほんの一部。本連載は、開始からの6年間で相談件数600件、7300万PVを誇る。
本書『あらゆる悩み・不満・ストレスが消える! 最強の人生相談<家族・結婚・夫婦編> ビジネスの成功にも共通する 人間関係、深すぎる40の教訓』(東洋経済新報社)は、これまでに寄せられた相談をもとに、「家族関係・人間関係のさまざまな悩みやコンプレックスを幅広く取り上げ、その解決策や考え方を共に学ぶ一冊」。夫婦問題に特化した相談を集めて大幅に加筆修正し、新規コラムを多数追加。隔週で更新される本連載を待ち望む一ファンとして、40回分を一度に堪能できる本書はなんとも贅沢だ。
著者のミセス・パンプキンは、約50年間にわたってさまざまな人から家族関係や人間関係にまつわる人生相談を受ける機会があったという。本書の目的は「多角的な視点や考え方を提供」することであり、「さまざまな家族や人間関係の悩みを乗り越えた人からの教訓を、視点を変えて、その縁を良縁に変えるか、悪縁を断ち切る契機にしていただければ幸い」と綴っている。
著者のミセス・パンプキンは、立命館大学法学部卒業。「ミセス・パンプキン」はペンネーム。「20年後、子どもに感謝される育児法」をコンセプトにした、息子であり本書の協力者でもあるムーギー・キム氏との共著『一流の育て方』(ダイヤモンド社)は20万部を突破し、5カ国で翻訳され、大ベストセラーとなった。「育児」「家族関係」「人間関係の改善法」をテーマに、講演・執筆多数。
ムーギー・キム氏は、投資、人材(採用・育成・働き方改革)、ブルーオーシャン戦略の専門家として執筆し、各種経済メディアでのオンラインコラムは累計1億PVを超える。著作は6カ国語で出版、累計60万部を超える。主著に『最強の働き方』(東洋経済新報社)など。日本語・英語・韓国語・中国語を操る。
本書のポイントとなる箇所は、太字にマーカーが引かれている。また、「私の困った!!」(イラスト付き)「パンプキンからのアドバイス」「このケースに学ぶ3つのポイント」「人間関係最高の教訓」の定型ですべてのケースを紹介。まさにムーギー・キム氏の言う「家庭でもビジネスでも共通する、人間関係の教科書」であり、参考書のようなデザインだ。
第1章 ささいな行き違いが大問題に発展!? 「コミュニケーションの悩み」
第2章 金の切れ目が縁の切れ目!? 「お金」の悩み
第3章 絶対許せない! 「浮気・不倫」の悩み
第4章 どこまで耐えればいいの!? 「暴言・暴力・虐待」の悩み
第5章 いいこともあれば、悪いことも...... 「子ども」の悩み
第6章 もう、ガマンの限界! 「義父・義母・親族」の悩み
第7章 幸せになりたい! 「離婚後と再婚」の悩み
~離婚後の心構え、離婚後の子育て、そして再婚~
総括――結婚関係・人間関係のベストプラクティスとは
未婚、既婚、離婚者を問わず、本書の対象読者は幅広い。ここでは、近頃メディアで頻繁に報道されている子どもへの虐待に関連し、「殴る、蹴るの夫の暴力が止まらない!」という相談を紹介したい。
■ケース
相談者である妻は、結婚15年目、子ども3人。近隣住民が児童相談所に連絡をするほど、夫の虐待がエスカレート。家中の家具も壊れて悲惨な状態に。
■アドバイス
「幼少期のたった数年ですが、成長にはとても大切なこの時期に負った心の傷に一生支配され、......このような親から子どもを引き離すことの緊急性を、声を大にして訴えないわけにはいきません」
■最高の教訓
「暴力や虐待の傍観は、同罪である。人生の苦しみの出口は、自分でつくるべし」
ミセス・パンプキンに寄せられる相談は、他人が決して足を踏み入れることのできない、プライベート中のプライベートであり、その深刻度は高い。相談者たちが生きる、ドラマさながらの壮絶な現実に驚かされる。それでも、本書は決して暗くも重たくもない。ミセス・パンプキンの筆致の歯切れ良さが気持ちよく、相談者に対する姿勢に信頼感を覚える。
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