読むべき本、見逃していない?

男は死刑囚の女性の無実を信じる

イノセント・デイズ

 CS放送を視ることが出来る人は、ぜひ今日(2018年3月18日)、WOWOWプライムにチャンネルを合わせてほしい。本書『イノセント・デイズ』(新潮文庫)が連続ドラマ化(全6話)され、第1回が無料で放送される(午後10時~)。妻夫木聡が演じる佐々木慎一は、幼なじみの田中幸乃(役・竹内結子)が犯したとされる犯行に疑問を感じ、ある行動を起こす。慎一には誰にも言えない過去の秘密があった。

 幸乃は放火殺人事件により確定死刑囚となっていた。幸乃の元恋人の妻とまだ1歳の双子、3人の命が奪われたとされた。幸乃は「整形シンデレラ」とよばれ、テレビのワイドショーの格好のえじきに。その人生は不運の連続だった。小説は、産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生にかかわった人々が追想するかたちで進む。慎一が調査を進めると、その凄絶な半生が浮かび上がる。それでも、なぜ彼は彼女を最後まで信じようとするのか?

 章のタイトルが判決文から取られている。たとえば第二章は「養父からの激しい暴力にさらされて――」、第三章は「中学時代には強盗致傷事件を――」、第六章は「反省の様子はほとんど見られず――」。決まり文句のようなことばが並ぶが、果たしてそれが彼女の人生と行動を本当に反映しているのか、読み進むうちに読者はいかに自分が思い込みに支配されているか気付くだろう。

 著者の早見和真は、本書で第68回日本推理作家協会賞を受賞した。これまでに40万部を突破したベストセラー。妻夫木聡が原作にほれ、ドラマ化の企画実現に大きくかかわったという。連続ドラマへの出演は3年半ぶりで、力が入っている。監督は2017年に公開された、妻夫木主演の映画『愚行録』を手掛けた石川慶。地上波のドラマとは一味違う重厚な映像と並行して、本書を読むのも一興だろう。

  • 書名 イノセント・デイズ
  • 監修・編集・著者名早見和真 著
  • 出版社名新潮社
  • 出版年月日2017年3月 1日
  • 定価本体710円+税
  • 判型・ページ数文庫判・467ページ
  • ISBN9784101206912

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