鉄道会社のトップとして、いま最も脚光を浴びているのが本書の著者、唐池恒二JR九州会長だろう。昨年(2016年)運行を始めたクルーズトレイン「ななつ星in九州」は、新しい鉄道旅行の形をつくり、高額な料金にもかかわらずプラチナチケットと化している。そして不可能と言われていた会社上場を果たした。
昨年出版した『鉄客商売』の続編にあたる本書では、丸井への出向、韓国プサンへの高速船「ビートル」就航、外食レストランの再建など、鉄道という本業以外での苦闘と喜びの日々をいきいきと綴っている。そうした「外部」との出会いによって、本業の鉄道事業での新しい発想が生まれたようだ。
東海道新幹線を擁するJR東海、首都圏、近畿圏という大都市圏をそれぞれもつJR東日本、JR西日本と違い、JR九州は赤字の鉄道を国鉄からひきつぎ、JR北海道、JR四国とともに「JR三島会社」と呼ばれた。その逆境と屈辱をはらそうというのが上場を果たせた理由だとインタビューで語っている。
中期経営計画のキャッチフレーズは「優しくて力持ちの総合的なまちづくりの会社をめざす」ことだという。表紙には山口晃画伯による楽しげなまちの鳥瞰図が描かれている。ネアカなリーダーが会社だけでなく地域をも元気にしている。
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